第5話

俺は目の前の画面に写っているたかちゃんに唖然とした。

なんで写ってるのかパッケージを見返してもなんのヒントもない。

俺の慌てた様子を見てミカは不思議がっている。

そしてゲームが始まった。

さすが未来のゲームなだけあってグラフィックは現代より格段に上であり、ロード時間など全くない。

「寛太が先行ね」

俺が先行らしいのでとりあえずルーレットを回した。

このゲームは最初のルーレットの出た目が人生においての一つ目の分岐点らしい。

俺は庶民コースだった

そしてミカがルーレットを回す。

ミカはエリートコースだ。

「やった!これは私の勝ちが近いわね」

なかなかのハンデを負ってしまったようだが、そこまで気にすることもないだろう。

そして俺は初めてコマを進めるためにルーレットを回した、俺の止まったコマにはこう書いてあった。

2,000年4月、初めて離乳食を食べた、幸福度が3アップ

俺は少し幸福になったようだった。

そしてミカが回す。

2000年9月、父親が仕事で海外へ短期出張次の番まで父親を下ろす。

そしてまた俺が回す。

2001年1月、足を火傷する幸福度が4ダウン

そんなこんなで段々とゲームを進めてゆき、俺は高校1年生、ミカは中学3年生のマスまで進んだ。

そして俺の番のルーレットを回す

2015年5月なかなか馴染めない高校にて親友が出来た幸福度10アップ

これはなかなか俺の人生に似ているなと思って少し思い返してみたらこのゲームの庶民モードは俺の人生にそっくりだった。

もしかしたらこのゲームを進めたら過去に戻るヒントとかあるのかもと思いゲームを進めようとしたら

台所から母親の声が聞こえた。

「ご飯できたからそろそろやめてー」

少し悔しかったが、食事が終わってから続きをやろう。

そして台所にある椅子に腰掛けようとしたら

ドアが開く音が聞こえた。

「ただいまー」

父親が帰ってきたようだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る