第1話 叶わない願望



 ——どうせならこの物語が永遠に続けばいいのに——



 ラブコメに対してこのような願望を抱くようになったのはいつからだっただろう。


 物語には終わりがある。

 そんなこと火を見るよりも明らかだろう。


 だけど、俺はどうしてもそのことを許容してやることはできなかった。


 これを友人に聞いてもらっても理解されることはない。


 「お前、何言ってんだ?」


 その一言で一蹴される。理解しようともせずに。


 せめて意見を聞いて欲しい、なぜその考えに至ったのか聞いて欲しい。


 このままでは、なんの信念もなくただ駄々をこねているのとまるで変わらない。


 ——そんなのとても嫌だった。


 俺はそこらにいる考えなしとは違って明確な根拠に基づいていることを分かってもらいたかった。


 ——でもできなかった。


 ——だからこの世界に見切りをつけようとした


 最期は静かに死のうと思い、自殺にありきたりな睡眠薬がぶ飲みを実行した。


 徐々に意識が途切れていく感覚が心地よかった。


 そうやって俺は、あるかもわからない天国へ想いを馳せて意識を手放した。

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