姉を児相に突き出すまで
姉の妹
【姉児相】0話 序章の序章
私は、昔から子供が嫌いだった。
正確には『生理的に無理』な子供が私の中に存在していた。
その特徴は頬が大きく赤らみ、人中の溝が深い。さらに髪の毛が漆黒で毛量過多、男女問わず可愛げのない子供は、例え友人の子供であっても話し相手になることすらできない。
幸いにも私の友人の子供は、『生理的に無理』な子供の特徴に当てはまらなかったため、何とか私の子供嫌いがバレずに済んだのだ。
今思えば、何がきっかけで『生理的に無理』な子供に気づいたのか、もはや思い出すこともできない。きっと大したことではないはずだ。
そんな私にも、2つ歳の離れた姉がいる。
姉は、私にとって幼少期の頃から天敵であった。
そうだ、忘れかけていたが、姉は所謂デキ婚だった。
デキ婚を非難する風潮は消えてはいたが、私の母は良く思ってはいなかった。
なんて言ったって、姉は婦人科系疾患の治療中であり、そんな中付き合っていた彼氏は『決して好きではないが、自分に良くしてくれる相手だから付き合ってあげている』スタンスの相手との妊娠だったからだ。
しかし姉の妊娠を機に、婚約・入籍・引越しと、新たなライフステージへ動き出したのである。
姉のデキ婚を良く思っていなかった母だが、次第に気にしなくなった。
姉は婦人科系疾患により、自然妊娠は難しいと言われていたからだ。
初孫に想像よりも早く会えると高なる気持ちは、どんな理由よりも喜ばしいことなのだと。
妊娠がわかってから出産に至るまで、姉はするするとあっという間に自然分娩で甥っ子が誕生したのだ。
この時点で甥っ子は親孝行な子供なのだ。
姉が出産した時、私はどこにいたかというと、なんと555キロ離れた東京にいたのだ。
姉の出産から約一ヶ月後に、私は姉と母がいる元へ帰ったのだ。
そしてこれから私がかきたいもの、それは出生前から親孝行な甥っ子が、この姉に虐待、いやそんな一言では片付けられない。人格否定、人権剥奪、自己肯定の叩き潰し。
わかりやすく見える暴力による体の痣よりも、見えない心の虐待なのだ。
それにしてもなぜ私は、こんなエッセイというカテゴリーで、今もなお続いているこの生活を
終わらせるわけでもなく、ここへ呑気にかき綴っているのか。
まずは甥っ子が生まれた1ヶ月後、私が東京から帰ってきたところを序章とし、今現在姉、甥っ子と私、母での冷戦状態に至るまでをかき綴っていくことにする。
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