第43話、盟主?そこまでの地位は望んでいない!!

国が安定してきてようやく生き残った代表たちが集まり会議を開いていた。そこには人間も魔族も関係なく本当に生き残った代表が集まり会議を開いていた。



まずは人と魔族の戦争の講和などそしてその後に世界の秩序をいかにするべきかと話し合いであった。



変なことがないように誰も利用しなくなって廃城となった魔王城で行われていた。魔族側も俺から変な威圧をするじゃないぞと威圧で伝えると誰もが素直に従ってくれた。



人間側も俺の強さは知れ渡っているので基本的に下手に出てくれていた。エルフたちも基本的に争いが嫌いなので講和ならと喜んで応じてくれていた。



だけどここで問題になったのが俺が育った島国を統一していた長老派の天狗たちであった。どうやら村八分した俺がここまで出世したことにかなり嫉妬と憎しみがあるらしく俺が何か言うたびに反論してこようと来る始末で困っていた。



俺派の天狗たちははぐれ天狗達ばかりで基本的に長老によって村八分をされた者達の集まりでそれが出世して地位も名声も上なことに長老派の天狗たちは面白くないと考えているのであろう。



それにこの会議も俺から提案を出したものである為に余計に何処かで俺よりも上の立場だぞと言うと言うか行動を出してくるだろうなと感じながらも話を続けていた。



そうしてある程度に条約を作り出してそろそろ誰が盟主をやるかを提案したのである。



すると案の定に天狗の長老がならわししかおるまいと言って盟主になる気であったが俺は一応、説明をしてあげる事にした。



「長老殿は少しばかりボケているかもしれぬので説明をしますと盟主はここに来ている代表5名が誰を盟主にさせるのか多数決なのでやりたいと言ってもなれませんよ」



「ふん!そんなことぐらいは分かっているわ、若造が。わしに指図するまで偉くなったつもりか」



「いやいや、そんな事はないですよ。俺だってそこまで偉くなったと思っていませんが指図される事はないぐらいまでは偉くなったつもりはありますけどね」



俺と天狗の長老は目を合わせてバチバチに対決姿勢をしていたけど俺は盟主になるつもりは全くなかったのであった。



そもそもこの場で一番盟主に相応しいのはエルフの国の女王であると俺は考えている。もちろんの事しっかりとした理由もあるのでそれをみんなに伝えながら説得するつもりである。



間違っても天狗の長老を盟主にはさせたくないからなと思っているとでは一人一人、指名者とその理由を答えることになった。



最初は天狗の長老から始まったのである。



「ではわしからだな、わしは皆が知っている通りにわしを指名にする。無論、理由はいっぱいあるがその理由としては先程の戦いに加勢していないおかげでわしの国は無傷と言ってもよいほどに平穏でしかも天狗は誇りを持ち力も持っているそんな天狗の長をやっているわしが盟主になることは当然だと考えておる」



自慢げに話して満足したのか椅子に座って発言を終えたのであった。全くそんな傲慢なやり方をしているからいつまでも天狗は嫌われものになっていることに気が付かないのかなと考えながらも今度は俺の番になったので発言を始めた。



「では次は俺の番ですね、俺はエルフの女王を盟主に推薦致します。この理由としてやはりエルフの国が先程の大戦である程度は国力が落ちたとはいえ存命している国の中では圧倒的に維持をしております。それにエルフの国は古い時代から存在し今でも残っておりますので俺はエルフの女王を盟主にしたいと考えております、以上です」



俺も言い終えたので座って周りの様子を見てみると自分が推されなかったから天狗の長老は怒りの表情になっていた。他は困惑に近い状態になっていたけど普通に考えてエルフの女王がなるのが道理だろと思っていた。



元々からトップに立っていたのは人間の代表とエルフの代表のみでそれで国力、そして実力など考慮すれば当然な結果である。



少なくても俺や天狗の長老そして魔族の代表にはそんな力はないと考えている。それに俺が盟主になりたくないのには理由があるのだけどそれは盟主なんかになったらアーシャとのんびりする時間が減ってしまうじゃないかと考えていた。



なので是非でもエルフの女王には盟主になってもらいたいと思っているのだ。少なくても天狗の長老にはなってほしくはないけどねと思っていると次に魔族の代表が推薦の話を始めたのであった。



推薦したのが予想外なことに俺を推薦してきたのである、真面目に困るですけどなんで俺は確かに強いかもしれないけど国力はかなり弱いですからな。



大戦で被害は少なかったけど元々が小さいから他の国の国力が回復したらこの代表の中では一番、国力が低くなるのにと思っていた。



その為に選ばれることはないと思っていたのに俺を推薦してきたのだ、その理由としては圧倒的な力を持ちそして下の者にも慕われているのでこれ以上にない適正だと思っているらしい。



いやいや、俺は普通に下の者を普通に見下しをするし優しく接した覚えなんて殆どないですけどと思っていたけどまあ、魔族だから一番は強さに惹かれても仕方がないところもあるからこれぐらいは許容範囲だ。



でも人間ならきっと俺と同じ様にエルフの女王を推薦にするに決まっていると考えていたら人間の代表まで俺を推薦してきたのである。



嘘だろーと叫びそうな声を抑えてなんで俺を推薦するようになったのかを聞くとやはり他の種族でも同じ種族のように助けた事がかなりの評価されたらしいけど俺はそれをしたのは花の都を持っている国王・・・って今更だけど人間の代表がその国王だったと思いだしてショックを受けたけど次はそうは行かないぜ。



なんせプライドが高いエルフたちがまさか自分たちを差し置いて他の人物を盟主に指名など考えられないからな。



へっへっへっへ、慌てさせやがってでも次で決まりだと思って安心した次の瞬間にエルフの女王がとんでもない事を発言したのであった。



それは盟主を俺にさせたいと言って俺を推薦してきたのである、俺はもちろん天狗の長老も驚いた顔をしてみていたがその理由を話し始めた。



「妾がテンガ殿を推薦する理由としてあげるのはまず一つ、テンガ殿は世を乱したギリワン・ボルケーノを討伐して平らげた事。二つ、その気になればこの世界の覇者にもなれたのにも関わらずこのような形で収めようとする謙虚な心、最後に英雄フェニックスの子供であり親に恥ずかしくない功績も上げた。妾はこれらの実績を含めてテンガ殿を盟主に推薦致す」



想像以上の言葉であれは何も言えずに聞いているしか出来なかった。それを終えて座る頃には人間の代表と魔族の代表はエルフの女王に向かって拍手をして賛同していた。



あれ?このままだと俺が盟主?・・・でも多数決で決めようと俺が言い出したからなと思いで何も言えずにそのまま初代盟主に就任してしまったのである。



はぁ、マジかと思いながらも就任した以上は責任を持って取り組みをしないといけないからなとこれからの事を考えると大変だなとため息をついてしまう。



会議も終えてアーシャが迎えに来てくれたようで手を振っていると天狗の長老がほう、中々の美人だなと言ってアーシャに向かって話しかけ始めた。



「どうもお嬢さん、わしは天狗の長老をしているコクオと申すものじゃ。お主の様子から見てテンガと何かしらの関係があると見たがどのような関係なのじゃ」



「始めまして、私はテンガさんの妻であるアーシャと言います。どうか宜しくお願いします、私は夫が待っておりますのでこれにて」



そうして俺の所にアーシャが戻って来るとあの天狗、私ばかり見てきて嫌な感じですと静かに教えてくれたので俺があの変態天狗の長老に別れる前に伝えた。



 「そうそう、俺の妻に嫌がる行為をさせたらただで済むとは思わないで下さいね、島国のお山の大将さん」



すると天狗の長老はかなり怒りそうな表情をしていたが気にせずに俺とアーシャは領土に帰るのだった。

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