第3話

暗闇で、彼女が音もたてず身体の向きを変えた。彼と同じ方向に、長テーブルに対して斜めに正面の方を向いて座り直した。そして、さっと腰を上げてすぐ下した。彼は驚いた。その一瞬で、彼女はスカートをたくし上げ、スカートが開いた状態で座り直していた。彼は気を取り直して左手を延ばした。スカートを上げ、指先を左のお尻にあて、四本の指をたてまま軽く右へ動かした。その動きを何度か繰り返し彼女がその動きに酔っているのを感じた。そしてお尻の割れ目に指を添える・・・・




「ん?」




下着が無い。さっきの動きでスカートを上げると同時に下着まで一気に引き下ろしてしまったようだ。今、皆が座っている会議室用の椅子は、座席部分の両脇から鉄パイプが背もたれまで延びているが、背もたれ部分は彼女の体格だと肩甲骨あたりにあたるのみで、その気になればお尻を丸ごと後ろに突き出せる。彼はスカートをまくり上げて背もたれ部に、彼女の背中で挟むようにして固定した。彼女も協力的だった。




暗闇の中、真っ白なお尻が逆ハート型に浮かび上がる。




『すごい光景。』




また左手をそっと出す。股間の部分も座席からはみ出している。柔らかな陰毛がさわさわ当たる。ひたっと濡れた柔らかい肉が指先に触れた。これは小陰唇だろう。もうしたたかに濡れている。彼女の身体がほんの小さい動きでピクっと震えた。彼はあえてその部分から離れた陰毛の生えた場所を軽くさすった。時々グッと押す。恥丘の膨らみを指で確かめるようになでさすり、不意にポイントをグッと指圧のように押す。その度に彼女がピクっと反応する。上を向いた彼の手のひらに、ポタッポタッと彼女の愛液が垂れ落ちてくる。彼は恥丘の肉を揉んでその柔らかさを楽しんだ。そして、人差し指と中指を中央付近にあてると、そのまま後ろへ指をあてたままでなぜた。あえて中央部は避けてなぜる。大陰唇の外側、そのふくらみの始まりから終わりまで、アナルまでなでた。同じ動きを二度、三度と繰り返した。お尻のカーブが急にへこみ、その先にかわいいぷっくりとしたアナルの膨らみがある。彼はその角度まで確かめるように触った。時に触れるか触れないか、時にツボを押すようにくっくっと押してやる。愛液が後ろまで垂れてきている。指にすくってアナルの周りを滑らせた。ひっくひっくと力を入れたり抜いたりして彼女が答える。中央部に当てたところ、硬く閉ざしていたので少し入口で円を描くように触った。




一度手を離した。会議室正面を見た。バカ社長が演説をしている。その頭上に時計がある。あと三十分は演説する予定だ。この状況では本番はムリだが、まだ時間はある。周りの社員は皆腕組みをして寝ているようだ。こんなもの真面目に聞く者がいるのだろうか?進行役も画面の方向を向いて座っているが、片肘ついて頬杖をして眺めている。彼は楽しい作業に戻ることにした。




またす~っと手を差し伸べる。今度は中央の割れ目に向かって。触れた瞬間彼女の肩がピクっと動いた。ヌルビチャっとした感触に指が捕らえられる。指をそろえて手のひら全体も使い、その割れ目部分全体をゆっくり撫でた。手の動きに合わせて彼女の腰が少しだけ動いているようだ。時々、プリン!と突起が自己主張する。人差し指と薬指でそっとその突起部の皮をむき、中指で優しく触り始めた。




『!!!!!!』




言葉にならない声が出ているようだった。


彼女の頭が反り返った。背中も強く反り、よりいっそう腰を後ろに突き出す形になった。むき出しになったその部分を、指の腹でくりんくりんと円を描いてやる。しばらくすると逆回転に。そして指の腹全面が当たるようにゆっくりと内側にはじくように触った。徐々に、徐々に。少しずつ強くしていった。


手に振りかかる愛液がおびただしい量だった。




『これは凄い・・・・。』




そして、ふと手を止めた。彼女との遊びで、彼は、自分に「じらしの才能」があることを知った。


朝立をしない年齢になり、ぱっと見で恋愛対象から外されるようになり、もう、モテることなどないだろうと思っていたため、ガツガツした欲望も無かった。だが、楽しませてもらえるならそれはもう思う存分に・・・。




また手を延ばし、その部分に手が当たると、彼女は腰を左右に振った。これは、おねだりされているな。


そう思った彼は、膣口を探り当てるとその周りをゆっくりほぐしていった。右に左にぐっと動かす。そして、ゆっくりとゆっくりと中指をその中に入れて行った。




「はああああああっ」




自分だけに聞こえる大きさで、彼女が慎重に吐息をはいた。奥の子宮口まで一度あたると、そこで一休みした。そして、なかでゆっくりと指で円を描く。彼女の中の深奥部から、愛液がドンドン溢れてくる。ゆっくりと抜いて、またゆっくりと差し込む。


「ちゅく」


小さな音だったが、彼はギョッとした。あまり派手に動かしてはいけない。演説の声がわんわんと鳴り響いてはいるものの、あまりに異質は音は人の耳に聞こえてしまう。彼女も肩をすくめている。が、くっくっくっと笑いを堪えているようだ。それを見ていっそう彼女のことが好きになった。と同時に、共犯者気分が盛り上がってきた。僕らは二人して今、良くない事をしている。彼はとても楽しくなった。




ゆっくりと中指を抜き差しした。しばらく動かし、薬指を添えて二本にした。彼女のそこはすんなりと飲み込んだ。まるで歓迎しているかのように愛液がまたあふれた。彼は、久しぶりに自分が勃起していることに気づいた。陰茎が、勃起することを思い出したようだった。


差し入れた二本の指を前後に、左右に、優しく強く動かした。彼女の背中はそれを最大限楽しんでいるようだった。あまり強く出し入れすると、また音がしてしまう。加減は難しかったが、彼は慎重に動かした。




子宮口に指先がコリコリ当たる。爪が当たらないよう注意しながら、彼はそこをコリコリを撫で続けた。まるで、つかめない果実を指先で揺らすように撫で続けた。




ふと、彼女の中がギュウウウっと閉まり始めた、痛みを覚えるほど強い。まるで二本指を誰かに握りしめられているようだった。


『あれっ?』


と思う間もなく、彼女の腰が浮き、足まで力が入っている状態で、全身が痙攣した。ブルルルっとひとしきり震えたあと、ゆっくり彼女が座る。彼はそーーっと指を抜いた。抜ける瞬間また、彼女がピクっと動いたが、また腰をさっと上げてスカートを戻した。下着も履き直したのだろう。




それを見て彼も音をたてないように元の位置に戻った。彼女も体の向きを元に戻す。丁度、バカ社長の演説が終わりそうだった。なんとか、今日の結論をひねり出そうとしているようだ。暗闇の中、ふいに彼女がこちらを見て笑った。初めて目を見て笑った。この瞬間、彼は恋に落ちた。たとえ自分のものにはならなくても、そもそも高嶺の花だ。自分は彼女の幸せを願おう。そう思えた。




「では、皆さんの健闘を祈ります!よろしくお願いします!」




演説が終わった。進行役が電気をつける。カーテンが自動で開いていく。彼は、ほっとしたような、寂しいような気分になった。




床を見て驚いた。びしゃびしゃと液体がこぼれたようになっている。皆から少し離れていて助かった。彼女も気づいたのか、恥ずかしそうにしている。




「それでは、会議をこれで終了です。皆さん今日もよろしくお願いします!」




進行役が宣言し、皆一斉に席を立った。彼も一拍遅れて立ったが、まず彼女がこちらを向いてニコニコしていることに気づいた。そして、机にスマホが置かれている。SNSのバーコード画面になっている。




「もしよかったら・・・・」




彼女が恥ずかしそうに差し出して来た。一瞬、なんの事かわからなかったが、気づいて彼は慌てた。




「はっはい!光栄です!」




光栄ですは変かと思いながら、彼は自分のスマホを急いで取り出し、同じSNSを開き、バーコード読み取り画面をひらく、ひらく、慌てているのでなかなかうまくいかない。何度も操作しなおして、やっと開き、彼女のバーコードを読み取った。




「じゃ、またね!」




彼女に颯爽と先に言われ、




「はいっ」




と、素っ頓狂な返事しかできなかった。






ただ、これで二人は知り合いになった。






これからが楽しみだ。


彼は思った。








END


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