宮本武蔵の思想 V.1.2
@MasatoHiraguri
第1話 はじめに
以前から私は、宮本武蔵(1584~1645)という名前が、書店や図書館の「哲学・思想書コーナー」に見当たらないのを不思議に思っていました。
「フランスの偉大な哲学者デカルト(1596~1650)」の著作がそこにあるなら、宮本武蔵の「五輪書」も同じ扱いを受けるべきではないか、と。
「我思う故に我あり」という哲学上の命題を、デカルトと同じ時期に見い出し、尚且つ、そのテーゼ(特定の肯定的主張(定立))を、現実の人間関係の中で「解きまた結ぶ」ことができたのは、他ならぬ宮本武蔵であった。
人間が自己の中に「我れ」という存在を自覚し、その自分がどう他人と拘わっていくのか、という(在来種純粋日本人としての)道を示してくれたのが武蔵の著作である「五輪書」です。
コギト・エルゴスム「我思う、故に我あり」とは、私たちに投げかけられた単なる命題に過ぎませんが、武蔵の「五輪書」は道を示してくれている。
「五輪書」を頼りに、どんな人間でも、自分と他という関係を自分なりに認識することで、自分の道を見いだすことができるのです。
もっとも、ボクシングや大学日本拳法のような、頭にガツーンと衝撃を受けることで「自我に覚醒する」という、物理的・肉体的な覚醒が第一に求められるという点では、単なる哲学や思想という、頭だけでひねくり回す学問とは異なるのですが。
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