第32話 新居

 何はともかく、向こう岸までたどり着いた二人。

 そこは東海道31番目の宿、新居あらいだ。


「あー、あんなことがあった後だし、何か甘いものでも食べたいわ」

「本当。私の心が癒されたくて、ニャーニャー泣いてるわよ」

 そんな二人は、茶店に入る。


「ふんふん。東海道プリンに、東海道ゼリー?」

「東海道金太郎飴っていうのもあるけど?」

 結局、プリンをチョイス。


 甘いものを補給して、先程の騒動に乱れた心も、少し落ち着いた。

 ちなみにここ新居には、全国で唯一、通行手形や証文が残された関所の建物が残っていて、国の特別史跡に指定されている。


 が、見学はせずに、先を急ぐ。

 道を南下して、遠州灘の近くまで出たら、海沿いに西へ。

 次の白須賀しらすか手前で潮見坂しおみざかを登っていき、海から離れる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る