第5話 22:00の改札口

この時間にここにいる人達


通り過ぎて行く人達


改札口に吸い込まれ


吐き出されてくる人たち


疲れや安堵やいろいろなモノが


混沌として


新幹線乗換口と在来線ホームの空間に沈んでいく


澱のように溜まってゆく


明るく暗い蛍光灯に照らされた、


くすんだ顔


私はこの時間があんまり好きじゃあない


終りな気がする


闇な気がする


陰な気がする


早く家に帰りたい


玄関を開けるといつもの匂いがして


鍵をがちゃりんと棚において


足が解放されて


コートを脱いで


どっかりとイスに座る


早く家に帰りたい



私は22:00のこの場所の私があんまり好きじゃあないんだな


って気付いた今日の帰り道です。

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