絵画泥棒

Taku

第1話

絵画泥棒

鈴川は玄関前でたたずんでいた。鍵穴を開けるために少し時間がかかっているようだ、[なんで簡単に開かないんだよ」少してこづっているようだ、  鈴川が入ろうとしている家は、画家として、昔に名前が売れていたこともあって、家には高額な絵画があるという多田の家だった。鈴川は、マンションの2階で多田が外に出かけるのを待っていた。鈴川は特にお金に困っているわけではなく、ただ絵画が好きな男であった。今まで、3回絵画を盗むのを試みていたが、そのうち2回成功して1回失敗した。失敗した時は、警察に追いかけられたが、覆面で身バレはしていなく、うまく逃げることに成功した。用意は周到で、逃走ルートは3ルートも用意して、そのうちの最も最速で現場から逃げれる駅のルートで逃走した。絵画泥棒というのは、珍しくその数は少ない。鈴川みたいに盗んだもの絵を壁に飾って楽しむ人間はごく少数だ。お金持ちであれば、このような絵画を盗む行動はしなかっただろう。今、現在、泥棒に入る準備中である、標的の、金持ちの家がある多田の住むマンションは白色の塗装がされた目立たない建物に鈴川は黒色だ。しかも黒の覆面をかぶっている。怪しい服装を着てきた鈴川が、画家の多田が、出てくるのに待ちくたびれて寝ている間に、ひっそりと玄関から多田が顔を出していた。誰もいないことを確認すると急ぎ足でエレベーターに向かい外に出た。



空は快晴であった、全体的オレンジ色に包まれた服装に、手提げの大きいバッグを手に持った男は、美術館に足を運んでいた。その男は、美術館の受付の人に話かけると、「買い取ってもらいたいんだけど」というと上のものが出てきた。普段から通っているその男は、絵画を持ってくる度に買取を断られていた。この日も買取を断られた男は、しょぼしょぼと自宅にかえっていた。今日、絵画を買い取ってもらわないと借金を返済できなくなり、借金取りに追われてしまう身となってしまうのだった。借金を返済できない男は明日の朝、荷物を持って家を出ようと決めた。あては、昔の画家友達であった。友達の男は昔、絵画で一目おかれていた男だった。金持ちであり、人柄のいい男は、30年来の友人であった。その男の名前は多田で現在はマンション住んでいるようで、2つの別荘を所有しているらしいのでかくまってもらおうと電話をした。事情を話すとすぐに返答があった。泊まってもいいらしい。男は新しい住処で生活するために、荷作りを進めるのだった。


鈴川は、多田が玄関から出ていたのに気づいたのは、1時間後であった。いつも、朝8時には、公園に散歩が日課である多田が、9時になっても出てこないのは、寝過ごした間に出て行った可能性があると考えインターホンを押したら、案の定誰も出てこなかった。周りに人がいないのを確認すると、専用の工具を使って鍵を開けた。手慣れた動作で短時間であいた扉の先には、絵画に独特な匂いがした。中に入ろうとした矢先、トイレのドアから男が出てきた。その男は篠原であった。鈴川はハッとしたと同時に、すぐに玄関から飛び出した。鈴川は泥棒のプロに会ってしまったのだ。普段なかなか見かけない男がここにいることにびっくりしたのと、同時に普段、用意周到に近辺調査をして、部屋に誰もいないと思い入り込んだ家に人がいたことにショックを受けていた。しかし、寝過ごした上に、インタ-ホンを一回鳴らしただけでいないだろうと決めつけて、家に入った鈴川に落ち度があり、はたまた、泥棒に鉢合わせたのは幸運だった。用意周到な割りに本番になったら雑になる男だった。


絵画というのは、繊細で孤独なものであった。男は、迷惑なものだと、わかっていながら、泊まってもいいと言った多田に、ありがたいとおもいながらも、申し訳ないの方が、気持ちは強くなっていた。借金の影響もあるのだろう、

男は、インターフォンを押した、音を聞いたマンションの住人は玄関から顔を出した。多田である。朗らかな顔で、別荘に迎え入れてくれた。2階建ての家だった、一人で住むには、十分大きい家であった。多田にとって、不動産目的の家であったので、容易に貸してくれたのだ。多田は、男に話しかけた、男の名は、大内であった。

大内にこう話した、「絵画を描くのに、必要なことは、時間と場所である」と、ここは、清々しい風に、海が近く、太陽が沈むところをみるには、十分な場所であった、多田は、環境を大事にしていたのだろうと伺える。しかし、自分には時間がなかった。借金を返さなければいけないからだ。多田は、大内に大成するのを期待していた、独特な筆遣いに、薄めの色、あっとするような絵は描けないが、印象絵としては、何かを感じさせるような絵なのだ。「絵画とは、自分の中の感情を表に出せるもの、感情を現実と変化させることができるものだ」とたまに、多田は口にする。実際に、有名な画家には、思想があるものだと思った。



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