秘密の会話
初心者の間を走破した。
走破した後に一つだけ気になることがある。
それは敵しかいないことだ。
俺と同じ魔物がいない。
初心者の間だから単にやっている人が少ないのだろうか。
にしてもおかしい。
疑問を胸に魔王に会いに行く。
一つ思ったのは仲間としていかないと見えないというものだ。
しかし、それだと修羅場以外で仲間を増やす方法がない。
初心者で仲間がいるのはかなりレアなのか?
仲間は作る必要はあるのか?
魔王に会うにあたって疑問がたくさん出てくる。
落ち着いて話さなければ。
確認するが今回魔王に会うのは30までレベルアップした報告である。
最初の魔決の式から1ヶ月ほどだろうか。
それだけしか経っていないがかなりレベルが上がった。
順当にいけば一年もたたずに魔王が倒せてしまいそうだ。
できればこの世界では無双したい。
様々な気持ちが交差しながら魔王がいるあの場所についた。
一度深呼吸をして魔王の前に立つ。
魔王が先に話し出した。
「お前紅井龍成といったな。何の用だ?」
「名前を覚えていただけて光栄です。レベルが30まで上がったので報告に
参りました」
言葉遣いが今までよりきちんとしてきた。
いづれ倒す相手だが立場はわきまえる。
「おう!もう30まで上がったのか。相変わらず早いな。ただ、お前のス
テータスには欠点がある」
「なんですか?」
「それは、静かさと素早さが低いことだ。これより上の間に行きたかった
らあげてから来るんだな...」
話を遮って俺が話し出そうとすると魔王が言った。
「何か言いたげな顔だな」
「はい。すみません。それには訳があって」
一呼吸おいて続けた
「俺のスキルに‘‘無双’’ってあるじゃないですか。それを使うと間合いに入
らないで倒せるんですよ。どんなに離れていても倒せるんで静かさも素早
さもいらないんですよね。」
一気に話しすぎたが理解してくれた。
「そんなスキルがあるのか。わかった。では、中級者の間へいって来い。
それと中級者の間に行くときは初めての人は仲間を連れて行かないと入れ
なくなっている」
どうやら仲間が必要らしいが俺には関係ない。
「あともう少し質問してもいいですか?」
「あぁ」
「初心者の間をクリア(脱出)するまでに敵がいなかったのはたまたまです
か?」
「それはたまたまではない。仲間として同じタイミングに入らないと同じ
場所には行けない。改札を通る瞬間に場所が移動しているぞ。仲間が欲し
いのなら修羅場のほうがいいと思うが入口で待ち構えていても悪くはない
ぞ」
「そうなんですね。ありがとうございます。あとその仲間の話なんですけ
どいっぱいいたほうがいいですか?」
「何も数がすべてではない。量が多いとその分経験値が減るからな」
「わかりました。頑張ります。ちなみに俺、あなたを倒すために努力して
るだけなんで言うこと全部返ってきますよ」
「そんなものは承知の上だ。私を舐めないでいただきたい。ここまで生き
ているのはどうしてだろうな?えぇ?」
挑発したみたいになってしまった。
魔王が生きているのはきちんとした強さがあったからだろう。
「ありがとうございました」
「おう!」
こう言って俺は帰ろうとしたが目の前には魔王がいた。
「今の会話は口外厳禁だぞ」
低い声で脅すように言われて俺は震えてうなずいた。
何か理由があるのだろうか。
魔王の手下になった⁉世界を俺の手に‼ kazanagi byo @kazanagi_byo_6
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