登場人物


 アリエノール・ラヌルフ女公爵

 ギレム公爵夫人。

 公爵令嬢で王太子との婚約白紙後に色々と王家と取引した女傑。女性の爵位授与、王命での婚約を撤回できる権利、自治権、半独立などなど。幼い頃から才女として有名。

 

 

 ティエリー・ギレム公爵。

 三つある公爵家の一つ。公爵家の一人息子。ラヌルフ女公爵の夫。夫婦で各公爵家の当主。

 輝くような金髪にエメラルドの目をした美男子。妻より7歳上。


 

 エレノア

 アリエノールとティエリーの長女。

 僅か5歳で王太子と側妃の物語に疑問を呈した。


 

 トゥールーズ前公爵

 嘗ての王太子の婚約者の兄。妹は感染病で亡くなる。兄と妹の二人兄妹なだけの仲が良かった。

 褐色の髪にオレンジの目をした美形。妹は赤毛が混じった茶色の髪にオレンジの目をした少女。

 国王の親友。国王の結婚に反対したし、国王が未だに妹だけを一途に思い続けるのを兄としては嬉しいが、王妃などの事を考えると何とも複雑。二公爵家が王家を見限ってもギヨーム国王と王妃がいる限り見限ることは無い。ただし、子供達は王太子夫妻を見限っている。


 

 ギヨーム国王

 息子の因果が子供に報いる事になった事に後悔している。

 最愛の婚約者(トゥールーズ公爵令嬢)を亡くし、彼女によく似た伯爵令嬢を王妃にした。伯爵家は金持ちでもあったし、当時周囲に身分の釣り合う令嬢が悉く婚約していたため王家は妥協した。最初、トゥールーズ公爵家の養女にして嫁がす案が出たが、国王自身が却下した(彼にとってトゥールーズ公爵令嬢は婚約者のローゼリアただ一人)。



 アリア王妃

 ルード伯爵令嬢。

 伯爵家が裕福で商売を幅広くしていたため、例外として王妃に認められた。本来は、侯爵令嬢以上でなければ王妃にはできない。また、婚約者を亡くして年齢に近い令嬢が全て婚約していた事も理由。新興貴族。裕福だが歴史は浅い。数代前に当主である商人が「男爵位」を買い取って始まった貴族家系。自分が国王にとって元婚約者の代わりだという事は十分理解しているし、国王が今でも亡き婚約者を一番に思っている事も解っている。



 

 レーモン王太子

 平民の少女と恋に落ちて後ろ盾の公爵令嬢(婚約者)を裏切ったため、王家の権威と県局は失墜した。たった一人の王子のため廃嫡は免れた。伯爵夫人と深い仲になってから心に変化が……。最後には愛人に刺されて亡くなるが、不可解な点が多い。真相は闇の中。

 


 ソニア・キューレ

 側妃。

 庇護欲をそそる愛らしく無邪気な美少女。

 平民の商人の娘(愛人の娘)。酒場の女を母に持つ。大工の娘として育った。14歳の時に母が「本当の父親」だと言って商人の男と結婚(再婚)。

 王太子に見初められるが三年経っても王妃教育に進展はなかった。そのため側妃として後宮入りする。また、ソニアを養女に迎い入れる貴族もいなかった。

 


 ルーちゃん

 ソニアの同じ歳の異母姉。

 商会の一人娘だった母が貧乏貴族の男を婿に迎えた。その男が酒場の女と浮気して出来たのがソニア。父親が愛人と再婚してからは消息不明。




 モルド・ゴンザレス海軍長官

 公式の場には出ないせいで酷い噂が蔓延しているが、本人は全く意に介さない。

 敵に情け容赦なし、冷酷無慈悲な海の悪魔。海賊王とさえ呼ばれている。ギレム公爵と懇意。


 

 カレン・スワニール伯爵夫人

 恋多き社交界の重鎮。社交界の高級娼婦と婦人達から揶揄されているが本人的には気にしない。夫に恋焦がれて結婚したものの、肝心の夫には幼馴染の没落貴族の愛人がいたため子供を産んでからは別居状態。恋情は尽き果てた。実家のポニラス伯爵家は歴史は浅いが金持ち。

 


 エミリオ・スワニール伯爵

 純愛に生きたものの、伯爵家の実権は嫁が握っているため愛するナターシャに贅沢させられなかった。その結果、逃げられることに。


 

 ナターシャ

 没落した男爵令嬢。スワニール伯爵の愛人。伯爵に愛想が尽きて金目の物を持って男と駆け落ち。


 

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