episode.14:エラー

 何が起こっているのかわからない。

 

 真っ暗な空間に置かれた何かのマシン。

 僕だけが操れるそれが、壊れていく。


 ケタケタ笑いながら、マシンに触れる少女はエラー。

 止めようとしても、手をすり抜けていく。


 彼女が触れたものはことごとく不可解なものに変化する。


 歯車が車輪に変わった。

 ブザーが鳴る。

 ディスプレイが板チョコに化ける。

 サイレンが響き渡る。

 複雑に絡み合ったチューブが破裂した。

 色とりどりの液体が飛び散る。


 赤にも、青にも、紫にも染まった僕は、破壊され、我楽多となったマシンを見やる。

 彼女は楽しそうに笑いながら、僕の前に躍り出る。

 そして、僕に触れた。


 僕の身体は膨れ、破裂し、見たこともない生き物に変化した。

 変わり果てたマシンをもう一度、目に映す。

 変わり果てた僕には、それがひどく美しく見えた。

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