11章 彷徨する迷宮(ワンダリングダンジョン) 01 

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 ソウシ オクノ


 Cランク

 冒険者レベル43


 武器系

  メイス Lv.38  長剣 Lv.12  短剣 Lv.8  格闘 Lv.25


 防具系

  バックラー Lv.19  大盾 Lv.21


 身体能力系

  体力 Lv.41  筋力 Lv.48

  走力 Lv.29  瞬発力 Lv.28

  反射神経 Lv.27  身体操作 Lv.18


 感覚系

  視覚 Lv.19  聴覚 Lv.17

  嗅覚 Lv.10  触覚 Lv.11  

  動体視力 Lv.27  気配感知 Lv.16


 精神系

  冷静 Lv.16  思考加速 Lv.13

  興奮 Lv.5


 特殊

  再生 Lv.12  安定 Lv.20【max】

  剛力 Lv.20【max】  金剛力 Lv.7 

  鋼体 Lv.20【max】  金剛体 Lv.4(new)

  翻身 Lv.13   重爆 Lv.20【max】  

  掌握 Lv.15  

衝撃波 Lv.10 不動 Lv.11

  鋼幹 Lv.10  鉄壁 Lv.3(new)

  毒耐性 Lv.5  幻覚耐性 Lv.4

  麻痺耐性 Lv.3  魅了耐性 Lv.5

  アイテムボックス Lv.13

  将の器 Lv.1(new)


 特異

  悪運 Lv.10

 


 特殊装備

異形のメイス(ランク外武器)

  指輪(俊敏+1)

  指輪(炎耐性+1)

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 フレイニル


 Cランク

 冒険者レベル28


 武器系

  杖 Lv.19  槍 Lv.3

  格闘 Lv.6


 防具系

  バックラー Lv.7


 身体能力系

  体力 Lv.18  筋力 Lv.10

  走力 Lv.17  瞬発力 Lv.10

  反射神経 Lv.10  身体操作 Lv.7


 感覚系

  視覚 Lv.14  聴覚 Lv.11

  嗅覚 Lv.7  触覚 Lv.8  

  動体視力 Lv.10  気配感知 Lv.11


 精神系

  依存 Lv.11  精神集中 Lv.20  


 特殊

聖属性魔法 Lv.20【max】  真聖魔法 Lv.1(new)

  神属性魔法 Lv.11

  命属性魔法 Lv.10   結界魔法Lv.8

  二重魔法 Lv.6  範囲拡大 Lv.2(new)

  鋼体 Lv.4  聖気 Lv.7

  命気 Lv.7  消費軽減 Lv.12

  充填 Lv.8 遠隔 Lv.4(new)

  毒耐性 Lv.3  湧力 Lv.1(new)

  


 特異

  聖者の目 Lv.5

  

 特殊装備

  亡者の杖(Cランク武器)

  指輪(魔法力+1)

  金のサークレット(集中力+1) 

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 ラーニ


 Cランク

 冒険者レベル29


 武器系

  長剣 Lv.27  短剣 Lv.8

  格闘 Lv.12


 防具系

  バックラー Lv.9


 身体能力系

  体力 Lv.23  筋力 Lv.21

  走力 Lv.32  瞬発力 Lv.28

  反射神経 Lv.29  身体操作 Lv.20


 感覚系

  視覚 Lv.14  聴覚 Lv.20

  嗅覚 Lv.23  触覚 Lv.11  

  動体視力 Lv.21  気配感知 Lv.18


 精神系

  勇敢 Lv.10  思考加速 Lv.8


 特殊

付与魔法 Lv.10  疾駆 Lv.12

  鋼体 Lv.10  剛力 Lv.10

  急所撃ち Lv.12  切断 Lv.10

  跳躍 Lv.12  空間蹴り Lv.10

  軽業 Lv.10  衝撃吸収 Lv.7

安定 Lv.3(new)  鋼幹 Lv.2(new)

  伸刃 Lv.2(new)

  充填 Lv.2(new)

  毒耐性 Lv.4  麻痺耐性 Lv.3

  冷気耐性 Lv.3  


 特異

  疫病神 Lv.5


 特殊装備

  ミスリルソード +2(Aランク武器)

  指輪(身体能力+1)

腕輪(剣加速+1)


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 スフェーニア


 Cランク

 冒険者レベル35


 武器系

  短弓 Lv.29  細剣 Lv.10

  短剣 Lv.7  格闘 Lv.9


 防具系

  バックラー Lv.11


 身体能力系

  体力 Lv.19  筋力 Lv.17

  走力 Lv.20  瞬発力 Lv.19

  反射神経 Lv.17  身体操作 Lv.20


 感覚系

  視覚 Lv.24  聴覚 Lv.14

  嗅覚 Lv.8  触覚 Lv.9  

  動体視力 Lv.23  気配感知 Lv.21


 精神系

  冷静 Lv.18  思考加速 Lv.12

  精神集中 Lv.20


 特殊

  風属性魔法・上級 Lv.2(new)

火属性魔法 Lv.20【max】  水属性魔法 Lv.16

  風属性魔法 Lv.20【max】  地属性魔法 Lv.15

  先制 Lv.2(new)

  鋼体 Lv.9  剛力 Lv.8

  安定 Lv.8

  消費軽減 Lv.15  遠見 Lv.16

  急所撃ち Lv.17  狙撃 Lv.17

  曲射 Lv.2(new)

遠矢 Lv.11  貫通 Lv.5(new) 

  毒耐性 Lv.5  麻痺耐性 Lv.4

  幻覚耐性 Lv.4 混乱耐性 Lv.4


 特異

  ???


 特殊装備

  白鷺の弓(Dランク武器  特殊効果 行動停止・弱)

  指輪(集中力+1)


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 マリアネ


 元Cランク

 冒険者レベル32


 武器系

  長剣 Lv.12  短剣 Lv.27

  格闘 Lv.12  投擲剣 Lv.20


 防具系

  バックラー Lv.9


 身体能力系

  体力 Lv.18  筋力 Lv.16

  走力 Lv.26  瞬発力 Lv.29

  反射神経 Lv.24  身体操作 Lv.20


 感覚系

  視覚 Lv.18  聴覚 Lv.17

  嗅覚 Lv.12  触覚 Lv.19  

  動体視力 Lv.21  気配感知 Lv.19


 精神系

  冷静 Lv.14  思考加速 Lv.12


 特殊

状態異常付与Lv.3(new)

  疾駆 Lv.13  早駆け Lv.11

  鋼体 Lv.7  剛力 Lv.6

  切断 Lv.3(new)

  急所撃ち Lv.14  投擲 Lv.13

  狙撃 Lv.6  遠見  Lv.7

  軽業 Lv.14  衝撃吸収 Lv.6

安定 Lv.3  隠密 Lv.13

  鑑定 Lv.14 

  魅了耐性 Lv.2  毒耐性 Lv.5

  麻痺耐性 Lv.5  炎耐性 Lv.2

  冷気耐性 Lv.2  


 特異

  ???


 特殊装備

  指輪(身体能力+1)

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 さすがに宴会の翌日は冒険者活動は休みにして、俺は朝帰りになった分の睡眠を午前中に取った。


 戻った時にラーニになにか言われるかと思ったが、「お酒くさっ!」で済んだので辛うじて女子の信頼度を大きく下げることは避けられた。


 昼ごろ目を覚まし、しがみついて寝ているフレイニルを起こして皆で食事を取ることにする。


 ラーニとスフェーニアも午前中は宿でゆっくりしていたようだが、マリアネだけはギルドに出勤したそうだ。


「まずはもう一つのCクラスダンジョンを踏破するのですね?」


 食事の席でそう言うスフェーニア。昨日から俺を見る目が潤んでいる気がする。


「そうだな。15階層だから3日かけて攻略しよう。その後はロートレック伯爵から呼ばれていればそちらに向かうしかないが、3日じゃさすがに招集の連絡は来ないか」


「いえ、この町の代官は『転話の魔道具』でやりとりをするでしょうから、話自体はすぐに来ると思います」


「『転話の魔道具』?」


「ご存知ありませんか? 遠くの場所で話ができる魔道具です。ただ多くの魔石を使うので使う者は極一部に限られていますが」


「そんなものまであるのか……」


 言われてみればマリアネもギルドのグランドマスターとは連絡を密にしているようだし、そのような魔道具があって当然なのかもしれない。


「そういえばこの町にも代官がいるのか。ならそちらに呼ばれるのが先な気がするな」


「もしかしたらギルドにはすでに呼び出しの話がいっているかもしれませんね。宿へは直接話は来ないでしょうし、その時はマリアネさんから伝えられるでしょう」


「そうなると明日ダンジョンに入れるかどうかも微妙だな」


 しかし難敵を戦って倒すのはいいが、有力者とのやり取りが入ってくるのはわずらわしく感じる。立身出世が目的なら喜ぶべきことなのだろうが、少なくとも俺の目的は長生きでしかない。むしろフレイニルの件がある以上、特に貴族階級との接触は避けたいのだが。


 俺が溜息をついていると、ラーニ耳をピクピクさせた。


「まあでもお礼をもらえるならもらっておかないとね。『黄昏の眷族』を倒して何もないなんてありえないし」


「昔なら貴族に取り立てられたというお話もあります。ソウシさまならそうなってもおかしくないのではないでしょうか」


「いやフレイ、さすがにそれは買いかぶりすぎだ。それに俺は出世には興味ないしな」


「ソウシさまなら立派に務められると思います。その時は私も――」


「あ、マリアネが帰って来たみたい」


 ラーニの言葉通り入り口からマリアネが入ってきた。ただ気になるのは、その後ろに明らかにお役人と思われる男がいることだ。


 マリアネは俺のところに来ると、


「ソウシさん、この町の代官がお呼びだそうです。食事を済ませたらこちらの方とともに代官の館に向かってください」


 と耳打ちした。


「わかった、準備をしてすぐに行こう。俺一人でいいんだよな?」


「はい、そのようです。それとロートレック伯爵がたまたま昨日の夕方、こちらの町に視察でお見えになったとか。ですのでその場でお会いすることになるでしょう」


「え……」


 それはある意味ラッキーな話ではあるが……伯爵と言えば上位の貴族ということになる。会うにしてももう少し心の準備をする時間が欲しかったな。




 とりあえず身だしなみを可能な限り整えて、俺は使者として来た役人とともに馬車に乗り込んだ。


 石畳の道に揺すられること5分ほど、町の中央区にある一際大きな邸宅の前で馬車が停まる。


 使者の後をついて邸宅に入っていく。代官の邸宅は分をすぎない程度に豪華さが抑えられた、それでも十分に豪邸と言える家であった。


 美術品がいくつか並ぶ応接間に通され、そこで待つように指示される。


 俺が美術品をなんとなく眺めていると、ドアがノックされ、40代の実直そうな紳士と、白髯はくぜんをたくわえた厳格そうな老年の男性が入ってきた。さらにその後ろには『覚醒者』と思われる男女が続く。当然彼らは護衛だろう。


 服装からして白髯の男性がロートレック伯爵その人なのは明かだった。万年安物に袖を通してきた俺ですら一目見て圧倒されるほど意匠の凝らされた衣装である。社長が自慢していたどこそこのスーツなぞこの服の前ではファストファッションだと言えるレベルだ。


 俺が立ったまま一礼すると、まずは40代の紳士が礼を返した。


「お疲れのところ、町の英雄をお呼びだてして申し訳ない。私はこのバートランにて代官を務めているロドニクという。まずはこの町の危機を救ってくれたことに最大の礼を述べさせていただきたい。誠に感謝する」


「Cランク冒険者のソウシと申します。この度の一件に関しましては、冒険者としての義務を果たしたに過ぎません。しかし結果としてこの町が難を逃れたというのであれば私としても嬉しく思います」


 多少の謙譲を交えつつ返事をすると、ロドニク氏は多少驚いたような顔をした。冒険者にはそもそも礼儀作法など期待はしていないということだろう。ただ後ろに控える老紳士の目元は厳しさを増した気もするが。


「うむ……なるほど『黄昏の眷族』を討伐する者となるとやはり並の冒険者ではないということのようだ。さて、この度貴殿を呼んだのは私ではあるのだが、この町はそもそもロートレック伯爵様の領地。そしてこちらにいらっしゃる御方こそロートレック伯爵様ご本人にてあらせられる。ゆえにこの後の話は伯爵様よりなされるゆえ、ご承知いただきたい」


 ロドニク氏が脇にのくと、白髯の老紳士……ロートレック伯爵が一歩前に出る。


 俺はあわてて膝を折り頭を垂れた。いや本当にどう対応していいか分からないのだが……ゲームとかではこうやってた気がする。


「冒険者のソウシと申します。この度はロートレック伯爵様にお目通りかないまして、大変光栄に存じ……」


「うはははっ、よいよい。貴殿のことはバリウス子爵より聞いておる。礼節をわきまえた大変有望な冒険者とな。だがこの国ではもとより冒険者に対してそこまでの作法は求められておらぬのよ。さすがに王家が相手ではそうはいかぬが、今日のところは固くならぬでよい」


「は……はっ」


 顔を上げると先ほどまでの厳めしい表情はどこへやら、そこには好々爺然として相好を崩す伯爵の姿があった。




「それでは『黄昏の眷族』を討伐するに至ったのは完全に偶然の結果というわけなのだな」


「はい。あの状況では誰も名乗り出ないというわけにはいかないように思えました。ですので、かの『黄昏の眷族』の力を浴びても辛うじて動けた私が対応せざるをえませんでした」


 応接の間にて、高級そうなテーブルを挟んで、俺と伯爵は向かい合ってソファに座っている。伯爵の後ろには護衛の男女。そして横にロドニク氏が控えている。


「『魂力』……『黄昏の眷族』はそのような力を持っていると聞いておる。それによって自らが戦う相手を選別する者がいるとものう。貴殿はそれを受けて動けたのだから間違いなく強者ということになろうの」


「恐縮です。いまだ経験の浅い未熟者ゆえ自らの力を測りかねていますが……」


「その強さで冒険者になってまだ半年も経たぬとは面白いの。ワシの息子とほぼ同い年で『覚醒』するというのも聞いたことがないしのう」


 伯爵は白い髯をなでながら、目を細めた。言われてみれば俺の父親と近い年齢なのかもしれない。あまりに備えた風格が違いすぎてとてもそうは見えないが。


「あい分かった、討伐までのいきさつについてはそれでよかろう。貴殿が『黄昏の眷族』を倒したことは多くの者が見ておるし、ギルドに提出された魔石からも真実と確かめられよう」


「は、ありがとうございます」


「この件については冒険者ギルド、そしてワシの方からも王家へと話が伝えられる。恐らくは追って何らかの沙汰が王家から下されよう」


「恐れながら王家からの沙汰があるとして、どれほどお待ちすればよろしいのでしょうか?」


「そうさのう……。報告自体は3日もあれば王や宰相の目には入るじゃろう。そこから褒賞などを選定して……3週間というところかの」


 この世界でもやはりお役所仕事は時間がかかるようだ。もっとも王家となればその業務の量は半端ではないだろうし、むしろ3週間というのは早い方かもしれない。


 そんなことを考えていると、伯爵は少し前のめりになり声のトーンを落として言った。


「ところで聞くところによるとソウシ殿のパーティはアンデッドにも強いそうだが、それはまことか?」


「それは……。聖属性魔法を使える者もおりますので、他の冒険者パーティよりは強いかと存じます」


「ふむ。『黄昏の眷族』を倒したソウシ殿、そして聖属性魔法を使える仲間、悪くないの。レイナン、レイセイ、お前たちはどう思う?」


 伯爵はそこで二人の護衛の方を見た。


 改めて見ると、その二人の護衛は瓜二つの顔をしていた。体格から男女とは分かるが、双方中性的な顔立ちのまだ二十歳前後と思われる二人である。双子なのだろうと思われるが、もしそうなら双子で『覚醒者』というのは非常に珍しいはずだ。どちらも高位貴族の護衛にふさわしい装飾の多い服装ではあるが、腰に下げている剣や短杖は実用的なものであった。


「はっ! 『黄昏の眷族』を討伐した冒険者であれば問題ないかと存じます!」


 伯爵の問いに答えたのは男の方であった。実直さが言葉のはしはしに見える。


「わたしもぉ~、同じ意見ですぅ~」


 一方で女の方の言葉遣いは場違い感がひどい。腰が砕けそうになっていると、伯爵が頷いて俺の方に向き直った。


「うむ。ソウシ殿、実は貴殿のパーティに依頼したいことがあるのだ。実は我が領都バルバドザからそう遠くない場所でアンデッドが大量に発生していてな、その原因を調査して欲しいのじゃよ。バルバドザは王都へも近いゆえ、滞在するにも丁度いいと思うがどうかのう」


 俺はその言葉に新たな面倒事イベントの始まりを予感しつつ、これが高ランク冒険者にとって逃れえない義務なのだろうと理解するのであった。




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