#6【裏切りの狂想曲(カプリッチオ)】
第18廻「命令」
「貴様は何か、勘違いをしているようだ。理解しているのか?
「はい……理解しております」
「では、なぜ。奴を、閻魔王の息子を早く、殺めない? 貴様は私を軽んじているのか」
女性は、冷や汗を流して焦った表情をする。
「そのようなことは決してありません、次は次こそは。確実に輪廻を亡き者にします! ですから私をどうか、見捨てないでくださいませ」
女性は、非情な男に懇願する。
「ふっ、そうか? 貴様が出来なければ私が奴を殺しても良いのだがな」
紫闇枢は、冷たく笑って言う。
「そんな! やめてくださいませ。あの人は私が必ず!」
すがる女性の髪を掴んで、枢は軽蔑の眼差しを向けた。
「誰が私に、意見をして良いと言った? たかが、
「はい……申し訳ございません。紫闇枢様。私はあなたの
「次はないぞ」
「――はい」
女性は、暗い表情をして
「ごめんなさい……私は貴方を」
女性は、涙を流してそう呟くと、紫闇枢の館を出た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます