予測不能のオンナ

@k0905f0905

第1話

「世界一の大富豪になりたい」

麻生谷ミオは超のつくワガママだ。

欲望の塊といってもいい。

要するにダレにも制御不可能な女

なのだ。

「ねぇ、ねぇ、アナタ、世田谷の

高級住宅に住みたい」

「どっちも、まあ、不可能だな」

夫の忠は平凡なサラリーマンだ。

ミオは近頃よくなぜこんな平々凡々とした

オトコと結婚したのか疑問に思うことがある。

いや、友人に騙されたのだ。

友人のアリサはミオに忠が大財閥の御曹司

だと紹介した。

だから、ミオはそれほどイケメンでもない

忠と不承不承結婚したのだ。

ところが忠が大財閥の御曹司どころか、

借金まみれの平凡なサラリーマン

であることが後になってわかったのだった。

「ねぇ、あなた。空中八回転してみて」

「できるか、そんなもん。一回でも

できんわ。体操選手でもあるまいし」

「体操の段違い平行棒でオリンピックに出て

金メダル取って」

「だから、できんツーとルだろう」

「面白みのないオトコ」

「おまえの基準からいけば、世界中の

オトコが面白みがないわい」

「つまらないオトコ」

「オマエの基準からいけば、世界中の

オトコがつまらんわい」

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