牛舎
薄明るい牛舎の奥
コーンサイレージの匂いがしている
天井近くの小さな鳥は
時折首を傾げて様子を見ている
光の水紋が空を漂い
静かに斜陽差す暗い視界を洗う
搾乳機の駆動音の横
誰もいないフリーストールに
メメント・モリの骸骨が佇む
“死を忘るな、摂理を受け入れよ”
搾乳を終えた雌牛が
ゆっくりとした足取りで
寝床に戻ってきた
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