けやき並木
私は一昨年の秋を思い出していた
その頃は家からも出られず、風が変わったことも知らなかった
友人に誘われ外に出た
広がる色彩と風の香りには涙が滲むかと
思うほど胸を締め付けられた
“世界はこんなにも美しかった!”
“空はこんなにも残酷だった!”
いま前から歩いてくる人は
私を見もしないだろう
いま隣を歩く友人は
そんなことは忘れたのだろう
それで良い
ある種の冷たい孤独を背負ってみな死んでいく
こんな些細なことなどどうでもいいのだ
まだ並木道は秋色に染まらない
交差点の真ん中には人が溢れて
怖いほどに静まり返っている
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