寒々として

氷漬けの女がこちらをにらんでゐる

私は白く冷たい世界で逆さに寝ころんでゐる


君の瞳より冷たいものはないと言った

それは嘘だ


朝靄の向こうの薄紫の光が

君よりもずっと冷たい

私が凍らせた君の心を透かして

私の足元に落ちるこの光


死体ににらまれながら

君のこころを捉へようと手を動かす

また君を傷つけそうだ

今度は砕いてしまうかもしれない


氷漬けの女が無表情に見つめてゐる

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