③-3

「くそぉぉぉぉぉぉぉお!!!!くそがぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!」


女の手で触れているところがみるみる焼け縮んでいく。得体の知れないそれは目玉を床に落とし、一部が液状化していて、それは腐った血のようにドロリとしている。一瞬、女があまりの気持ち悪さに我に帰ると、


ドン!!


謎の力に吹き飛ばされて部屋の壁に体と後頭部をぶつけて床の上にドサリと落ちた。痛みが体を支配する。



「もう何の迷いもないわ。」



液状化していたものが集まり、目玉も元の位置に戻る。


「とことん、苦しめたるからな。ほんで、最後は死ぬんや。キシシシシシシシシ。」


「あなた、誰なの?」


ギロリン。


黒目の焦点が合わない不気味な目玉の圧がこちらを見詰める。そして視線が合わなくなり、白目を剥くかのように瞼のほうへ黒目を動かした。


怖いより寒い。

寒気と悪寒が走る。鼓動が早くなり、ケホっと咳がでる。


「ギョウエキ...お前を殺す疫病神や。」


ニンマリと笑って、消えた。


神栖柄のどか 29歳の誕生日の日に彼女は失神して倒れた。だれもそれを助ける人はいない。気が遠くなるの感じながら虚になる。


わたし、前世、何をしたんだろう。


彼女は深い眠りについた。






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