おもちゃ箱の中身
翠
第1話(童話)リレー
ヒュッと紙ヒコーキが一つ飛びます。ヒラリと優雅に飛んだ先には、たぬき君家が。いつもの様にシュンとたぬき君の元へと飛んでいく。
「今日は誰からだろう?」
たぬき君もいつもの様に紙ヒコーキを開いていると、
「きつね君からだ」
そう嬉しそうに読んで、紙に文字を書いて紙ヒコーキを折る。それから、
「きつね君家にいけーー」
ビュンと紙ヒコーキはたぬき君の手から離れて、きつね君の家に向かって急上昇して飛んでいった。
「あ、きたきた」
きつね君は何も驚かずにたぬき君からの紙ヒコーキを受け取った。それから、
「ほいほいっと」
鼻歌を口ずさみながら、きつね君は返事を書いて紙ヒコーキを折る。
「無事に届いてくれよ」
そう言ってたぬき君の家に向かって紙ヒコーキを飛ばす。ヒュンヒュンと音を立てて紙ヒコーキは勢いよく飛んでいった。
その頃うさぎさんも誰かから紙ヒコーキを受け取っていた。
「たぬき君からだわ」
嬉しそうに笑顔になって、紙ヒコーキの中身を確認する。
「ちゃんと届けてね」
うさぎさんもたぬき君に向けて紙ヒコーキを飛ばす。
二日後、たぬき君の家にきつね君とうさぎさんの3人がそろった。
「今日はお招きありがとう」
「いえいえ。お越しいただきありがとう」
今日はうさぎさんの誕生日会です。きつね君も呼んで3人でのパーティーの始まりです。
「大きなケーキ!」
「風船を割ってごらんよ」
きつね君に言われてうさぎさんが風船を割ると中から大量の紙ヒコーキが出てきました。その1つ1つにメッセージが書かれています。
「ありがとう」
感極まってうさぎさんは泣きました。
「まだまだあるよ。ごちそうだってあるんだよ」
たぬき君がそう言って、うさぎさんの大好物のにんじんを使った料理を振舞います。にんじんスープににんじんサラダ、にんじんステーキ。
「美味しい。ありがとう。美味しい」
うさぎさんは涙を拭いて、食べて喜びました。たぬき君もきつね君もうさぎさんのそんな様子を見て、満足しました。
「今度は3人で遊ぼうね」
そううさぎさんが言うと、
「うん。何して遊ぼうか」
たぬき君が尋ねました。
「鬼ごっこがいいよ」
「アスレチックもいいよね」
そんな風にお喋りをしながら日は暮れていきます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます