偶然か必然か

学校での昼休み中にSNSのタイムライン上でホワイトペインターが配信告知をしていた事を知り、更にサプライズを匂わせていた。これを知った駿はもしや自分とのユニット結成を知らせるのではないかと思い、自分もダンジョンプリズマーとして告知した方が良いのではないかと確認をとる。


 確認後、クラスメイトの碧伽耶と廊下で衝突する一幕があるが、教室に戻る途中でスマートフォンが鳴る。目にやるとホワイトペインターからのメッセージである、駿はメッセージを開いて確認する。


『ふふふ、大丈夫よ、あなたは必要なら配信前の告知くらいでいいわ、サプライズ匂わせも必要ないから、それじょおね』

「ん?じゃないのか?まあいいや」


 ホワイトペインターの誤字が気になりながらもアイコンを使用した反応にとどめ、駿は教室に戻る。


 駿が教室から戻ると高史が声をかける。


「おお、戻ったか駿」

「ああ、少し混んでいてね」

「なあ駿、俺少し気になったんだけどさ」

「何がだ?」


 高史は駿が戻ってくるなり気になると口にし、駿はその内容について尋ねる。


「あのホワイトペインターとダンジョンプリズマーが会ったのって、本当にただの偶然なのかな?」

「いや、本当に……いや、なんでそう思うんだ?」

「いや、まずはフラワーズの考察動画でさダンジョンプリズマーの仮面にやたら詳しかっただろう、怪しくないか」

「でもそれは確かあの仮面のマークだかが他の配信者の武器にもついていたとかって言ってなかったか?」

「まあな、それからさ、ホワイトペインターが魔物に取り囲まれている箇所ってユニット配信者が時々集合場所にするんだって。階層が数字で大きく書いていて分かりやすかったから」


 ホワイトペインターと初めて会った場所がユニット配信者の集合場所になりやすく、そこで偶然囲まれたのかと駿は考えるが、高史の話はまだ続く。


「もしかして、本当はあそこでおち会う約束でもしてたんじゃないか?」

「そうかな、その割には初対面ぽかったけど……」

「でもよ、ホワイトペインターが考察動画で逆プロポーズをしてダンジョンプリズマーがフラフラ行った可能性はないか?」

「お前もあれを逆プロポーズって考えてんのか⁉っていうかあの時って性別分かんないだろう」

「まあまあ、逆プロポーズはともかく、多分美人と思われるホワイトペインターの言葉にフラフラダンジョンプリズマーが行った可能性はあると思うぜ」


 結局何の根拠もない高史の発言だったが、駿は自分の正体に近づくんじゃないかと内心ドキドキであったのだ。

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