　仮面の力で得た地図スキルを活用し、出入り口の場所が分かった駿はダンジョン脱出の為に地図で示された出入り口を目指そうとするが、そこに魔物が現れる。

「お、魔物が現れたな、確か戦闘スキルに解析スキルってのがあったな」

　仮面の側面のスイッチを押し、解析スキルを発動させると仮面のディスプレイに魔物のデータが表記される。

『暴れ牛：突進が得意魔物』

「これだけか、他にはないのか？」

　駿が魔物のデータが他にないのかとぼやくと早速暴れ牛は突進してきて、咄嗟ではあるが手で角を掴み、そのまま食い止める事に成功する。

「すごい！まさか、こんなすごい牛を素手で止められるなんて、俺強くなってる？」

　そしてそのまま牛を一度投げ飛ばすと、更に突進してきた暴れ牛の顔面に正拳突きをし、そのまま暴れ牛は倒れこむ。

「やった、まさかこんなところでじいちゃんから習った空手が役に立つなんてな」

　駿は祖父から空手を習っており、その空手の技が魔物退治に一役買ったのだ。

「ま、ほとんど仮面のおかげだけどな、ん？暴れ牛が消滅した」

　暴れ牛が消滅するとそこから謎のビンに入った液体を目にしたので解析スキルで確認をする。

『ポーション：傷を癒し、体力を回復するアイテムである』

「なるほどな、一旦亜空間に転送しておくか」

　暴れ牛を倒して得たポーションを一旦亜空間に転送し、再度駿は出入り口を目指していく。

「確か地図によると、お、あった！この階段を昇っていくと……」

　地図を昇っていき、ダンジョンの外に出るかって時に眩い光が放たれて駿は目を覆い、光が消え、目を開けると駿の周囲は草むらであった。

「ここ、最初に来た草むらだな、おっと、仮面を外さないとな、リリース！」

　駿が仮面と強化スーツの着脱の為、リリースと叫ぶと仮面と強化スーツは消えて、駿の服装も元に戻る。

「おお、元の姿に戻った」

　元の姿に戻った事を確認した駿は現在の時間を確認し、すごく焦る。

「やべえ、夕飯までに戻らないと母さんにどやされちまう」

　駿は急いで、近くに置いたままにしていた自転車に乗って、急いで家路につく。

　なんとか夕飯には間に合い、夕食を終えると駿はダンジョン配信の動画を視聴するが、そこで思わぬ情報を知る。

「何でしょうね、あれは！お、あれは仮面の戦士だ、新しい配信者か？」

　駿が視聴したアーカイブの動画になんと仮面を装着した駿が映っていたのだ。

「え？これは俺だよな、他には……」

　他の配信者の動画にも部分的ではあるが仮面を装着した駿が映っていたのだ。果たして彼のこれからは？

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