現代ダンジョン創世記
つくしー
第一章
第1話 二ツ橋 一愛
2016年大晦日。突如として世界中にダンジョンが出現した。
世界崩壊を思わせるほどの大規模な地震により、世界中の建築物が倒壊。川は氾濫し町は流され、果ては山までも崩れ落ちた。その跡地に、まるで最初からあったかのようにダンジョンへと続く門が開いていたのだ。
各国家の各機関はこれを調査。そして驚くべき事実が明らかとなった。
一つ。ダンジョンは物理法則を無視しているとしか思えない程広大な土地が広がっている。
一つ。ダンジョンの中にはゴブリンやスライムといった既知の未確認生命体が蔓延っている。
一つ。それらを一定以上殺すとレベルが上がり、超人的な力を手に入れられる。
一つ。ダンジョンから産出される物質はほぼ全て既存の科学技術を凌駕する力を秘めている。
各国家の政府はこの金鉱脈を独占するべく、一般人が立ち入らないよう政府主導で規制しようと動いたが、結論から言ってしまえば上手くいかなかった。
曰く、ダンジョンには老若男女問わず誰でも入れる。
曰く、ダンジョンに入ろうとする者を止めた者は、ダンジョンに入れなくなる。
これらの内、後者のルールによってダンジョン規制は頓挫した。
頓挫したまま座して現代の金鉱脈を指を咥えて見ているわけにもいかず、当時の日本政府は一般人のダンジョン開放を宣言した。
それはテレビやマスコミ、SNSによる一般開放が叫ばれてから約一年後――ダンジョンが産まれ落ちてから2年と半年が経過した後の出来事である。
一般人がダンジョンに入る。即ち未知を求める【探索者】としての最初の一歩は、ダンジョンが出現した丁度三年後、1月1日に踏み出した。
テレビクルーに囲まれ、意気揚々とダンジョンへの希望を口にするタレント。有象無象の一攫千金を夢見た一般人。その他様々な思惑を滲ませながら、3万7760人が全国12ヵ所のダンジョンにそれぞれ侵入した。
そして、約3万人が死亡した。
二ツ橋
顔は平凡、前髪長め、耳は少し掛かる程度で後ろは適当。眉毛は当然整えていない。背の高さはクラスで前から7番目。趣味はゲームと漫画でたまにラノベを読む程度。
典型的などこにでもいる陰気な少年。それが今年で16歳になる一愛であった。
一愛は長めの前髪で目を覆い隠すようにしながら、3-C――自クラスの教室の扉を開く。小中高一貫校のせいで見知った顔が殆どであるが、一愛の友達は一人もいない。
無関心9割の視線を受けながら、残りの一割、嗜虐に口元を歪ませたクラスメイトを視界に収めた。
……ああ、朝からか。
今日は朝から。どうやら機嫌が良いらしい。
毎度繰り返しすぎて日課になってしまったクラスメイトのご機嫌観察に、一愛は自嘲の笑みすら浮かべない。今日が最悪の一日になるのが確定したのだから笑えないのも当然だった。
嗜虐に口元を歪ませたクラスメイト――鈴木竜之介は教室に入ったばかりの一愛に近づき挨拶代わりに肩を抱くと、そのまま一愛の横腹を拳で突いた。
「よ! 相変わらず不細工な顔だなぁ。眉毛剃った方がいいぞ?」
「は、はは。う、うん。考えてはいるんだけどね」
「お前がイメチェン? っぷ。きんも!」
わざとらしく驚いてみせ、わざとらしく笑ってみせた竜之介に、一愛は心の中で死ねと毒づいた。一愛がなんと言おうと大声で馬鹿にしてみせ、クラスメイトの気を惹こうとする彼のよくやる手口だ。
「どした竜、朝から二ツ橋なんかに構って。こんな陰キャと話してて楽しいのか?」
竜之介の友達――安田がニヤニヤと笑みを浮かべながら近づいてくる。
……朝から二人目。一番最悪な始まりだ。
一愛は内心の嫌悪感を振り払って「お、おはよう」と歪んだ笑みで機嫌を伺う。
空手を習っている安田は小柄だが喧嘩が強く、たまの放課後に一愛に絡んでは小銭をカツアゲしていく質の悪い男である。
それもただのカツアゲではなく、やれ柔道勝負だの50m走で早い方だの、とにかく自分に有利な方法で勝負しては『賭けに負けた方が悪い』と責任を押し付ける小賢しいチンピラとしか思えない男だった。
「いやな、こいつがイメチェンしたいとか言うから可笑しくてな。普通そういうのは自分の顔やスタイルに似合うかどうか見てから決めるだろ? なのにいきなり眉毛剃って印象変えるとか言い出すから……ぷ、くく、はははは!」
「マジかよウケるわ! おい二ツ橋、お前はその陰キャ顔に陰キャヘアーが一番似合ってんだからマジで身の程弁えてけ?」
「は、はは。だよね」
一愛は愛想笑いを浮かべながらも、心の中は激しい羞恥に見舞われていた。
クラスメイトに聞こえるよう大きな声で馬鹿にされたこともそうだが、それを恥ずかしいと思う自分自身にも羞恥を覚える。こればかりは何度やられても未だに慣れない。
怒りはない。
もうそんな過程はとうに過ぎ去った。
「そうだ。俺の兄貴が美容師なのは知ってるよな。お前そこで今度髪切ってもらえ。大丈夫大丈夫、友達から金なんかとらねーよ。あ、ただ、お前の髪型を何にするかは俺が決めるけど!」
何がいーか、角刈りとか? それかモヒカンもいいな! あー、友達のイメチェンを手伝ってやるとか俺って本当に優しいなー、など、クラスメイトに『親切な俺』アピールする竜之介を一愛は貼り付けたような愛想笑いで聞いていた。
竜之介は御覧の性格でクラスから少々煙たがられているものの、バスケ部のエースで背も高く、兄が美容師のおかげもあってかお洒落にも気を遣い、生来からの見た目も良い。だから女にモテるし一愛一人を虐めた所で風聞には全く影響がない。世の中の不公平を嘆けるだけ嘆いてから自殺したくなるほどの格差社会だ。
……俺、そんなに悪いことしたかな。
虐めのきっかけは何だったのか、一愛には全く分からない。
竜之介とは小学校低学年からの付き合いで、昔はそれこそ本当に友達だった。
今でこそ関係は一方的なものだが、小学生の時はよく二人で遊びに出かけるほど仲が良かったのだ。
竜之介は昔から自己肯定感が高く、よくアイドル事務所の一次試験に受かっただの言って虚言を吐いては学校で自慢していた。小学生なのに髪や美容に気を遣う意識の高い子供だったのだ。
そのころの一愛は今みたいにオタク趣味もなく、快活で外を走り回ってよく転ぶような子供で、不摂生もしていないから顔色が良かった。
子供だからこその中世的な顔つきで、つまり顔が整っていたのだ。だからそれが気に食わなくて虐められたのかもしれない。
一番最初の悪口は今でも思い出せる。『お前、よくみると不細工だな』だ。
虐めの最初期は何が気に入らなかったのか分からずただ竜之介に謝ってたが、一向に虐めが改善しないことを見るに理由はないのだろう。
安田? 安田はただの馬鹿だ。
……もう疲れたし、理由なんてどうでもいいけど。
「知ってんだぜ一愛。お前ダンジョンに興味あるだろ?」
突然告げられた言葉に、一愛は驚いて竜之介の顔を見る。見てしまった。
半ば聞き流していた所に核心を突く言葉。思った通りの反応を得られた竜之介の顔に喜悦が混じった。
「やっぱな! 実はな、俺も先週新宿ダンジョンにいったんだよ」
「え?」
「そしたらびっくりしたぜ。どっかで見た不細工がいると思ったらお前だったんだから! あんときは腹抱えて笑ったぜ、マジで!」
……最悪だ。
ケラケラと笑う竜之介を後目に、一愛は涙が浮かびそうなほど目をきつくしばった。
一番知られたくない人間に知られてしまった。誰にも、親にも秘密にしていた事実をよりにもよってこんな奴に。
いつの間にか一愛の反対側に陣取っていた安田が馬鹿にしたように言葉を挟んできた。
「お前がダンジョンとかマジ? 入った瞬間死にそうじゃん」
「いや、あの、それはなんというか」
一愛は上手い返しが見つからず、しどろもどろになって目を伏せる。
安田はイラついたように舌打ちし、一愛の腹を強めに殴った。
「ハッキリしろよな。お前のそういう態度いつもムカつくわ」
「まぁまぁ安田、こいつがこういう奴だってのは分かってるだろ。大目に見てやろうぜ」
意外なことに竜之介が間に立って安田を止めた。
「それより俺はお前がダンジョンに興味があるってことが嬉しいんだぜ。あそこは入りたい奴しか中に入れない仕様らしいし、いや、マジでお前持ってるわ」
「は、はは。そうかな?」
……嫌な予感がする。
普段は特に当たらない自身の感。しかし虐めで培った身の危険に関しては一度も外れたことがない嫌な予感に、一愛は愛想笑いを引き攣らせた。
「実はな、俺と安田もダンジョンに入るつもりなんだよ」
「えっと、それは、その……3カ月前のダンジョン開放日に入った人の9割近く死んだらしいし、大丈夫、なのかな?」
一愛は自分もそうするつもりなのを棚に上げ、内心では勝手に入って勝手に死んでろよと思いながらも、他のクラスメイトの手前一応体裁として心配する振りをした。
だがそれが気に障ったのか、竜之介は声を「ぁあ゛?」と凄ませる。
「俺たちをそこらの一般人と一緒にすんじゃねーよ。つかてめー如きが心配してんじゃねーよ」
「そうそう。ダンジョンで死んだ奴ってあれだろ、俺はダンジョン開放した時に見に行ったけどろくに喧嘩もしたことなさそうな奴ばっかだったじゃん。浮かれてやがったし、あれじゃ死んで当然だよな」
安田が得意気に語る。
「ダンジョンは入った瞬間にクエストが発生して、それをクリアするまで外に出れないんだろ? そんで現代兵器とか電子機器とか一切使用できないって最初から言われてたじゃん。それであの浮かれようはほんと馬鹿だわ。お前もそう思うだろ?」
同意を求めるように安田も一愛の肩を抱き、腹に拳を当ててくる。
今を見るに一番浮かれてるのはお前だろ、と一愛は言いたい気持ちをぐっとこらえ、首肯するように頷いた。
安田は笑みを浮かべて一愛の腹に当てた拳を引き、勢いを付けて強めに殴る。
結局殴るのかよ、と一愛は呻いた。
「だよな! クエストもモンスターを一体倒せとからしいし、俺ならゴブリン程度素手で殺せるぜ。でもお前には無理だろうからマジで死ぬぞ?」
「まぁ待て安田。友達にそんなこと言うもんじゃないぜ?」
竜之介が安田にストップをかける。
「それに下手なこと言うなよ。ダンジョンに入るこいつをお前が止めたら、その時点でお前がダンジョンに入れなくなるかもしれないだろ? こんなやつの為にそうなったらさすがに、な?」
「ああ、そりゃそうだ。何度聞いても意味わかんねーけどそうらしいし、こんなやつの為に俺の未来が潰されるとかありえねーからな。つーわけで、お前はダンジョンに入って勝手に死んどけ」
お前に言われるまでもなくそのつもりだよと一愛は思うが、いつものごとく愛想笑いで誤魔化す。安田の馬鹿のお陰で嫌な予感は杞憂に終わりそうだと思うも、そうは問屋が卸さなかった。
「だから友達にそんなこというもんじゃないって言ったろ? なぁ一愛、お前もダンジョンに入るつもりなら俺たちのパーティーに入れてやるよ」
「――――」
考えうる限り最悪な提案に、一愛は喉の奥から引き攣った声を漏らした。
「い、いや……その」
「あ”? なんだよ」
止めてくれ。一愛は本心から懇願にも似た思いを抱く。
……学校でも虐めてきて、更にはダンジョンの中でも虐げるつもりなのか。学校の虐めでさえ毎日死にたいって思うほどなのに、これ以上俺から何も奪わないでくれ。
そう一愛は実際に言葉にだして懇願したいほどだった。だができなかった。
経験上懇願すればするほど逆効果なのを知っているからだ。
「おい待てよ竜。俺は嫌だぜ、こんな陰キャをパーティーに入れるのは」
一愛は笑みを浮かべるのを咄嗟に堪え、不格好な愛想笑いで安田を見る。
一愛には非常に嫌そうな顔でこちらを睨む安田が神様みたいに光って見えた。馬鹿に感謝する日が来るとは人生思いもよらないものである。
「おもりみたいにこいつのレベル上げとクエストを手伝えってことだろ? パーティー登録したら経験値が平等に分散されるわけでもねーし、面倒だろ。いやそれも最悪だが。とにかく俺は嫌だぜ、マジざけんな」
「落ち着けって安田。別にそんなこと言ってねーだろ」
竜之介は安田を宥めると、絶妙な間を取って話し出す。
きっとダンジョンに興味がある、実は盗み聞きしているクラスメイトに演説している気分なんだろうと一愛は益体もないことを思った。
「こいつのレベル上げとクエストは俺だけが手伝う。ダンジョンはモンスター殺しに関わった奴しか経験値が入らない仕様だから、俺がレベル2になるまではパーティーでの狩りでドロップアイテムや食料とかの荷物持ちをやってもらう。ネットで言われてるだろ? 最低一人は一つのパーティーに雑用係が必要だって。それをこいつにやってもらうんだ。後は延々その繰り返しで、こいつはようは『サポーター』だ」
「……まぁそれならいーけどよ。でもそれってお前が大変なだけじゃね?」
いーけどよじゃねえよ馬鹿もっと抵抗しろ、と一愛は心の中で舌打ちした。
だが確かにお互いの関係性も一愛の気持ちも度外視して考えれば、そう悪い話ではない。
荷物持ち……恐らくそれ以外のサポートも求められるだろうが、それさえこなせば命の危険なくレベルが上げられるのだ。ようは寄生と同じで宿主である竜之介に縛られるが、それ以外の有象無象一般人には優位を保てる。単にレベルを上げたいだけの者なら食いつくだろう。
……でも、俺は絶対嫌だ。
一愛はレベルを上げて強くなりたいのではない。一攫千金を狙うわけでも勿論ない。
ただ現状から脱却したいためだけにダンジョンに潜りたいのだ。今のように虐められることなく自由に生きたい、その先に死が待っていようと構わない、ただそれだけをダンジョンに求めている。
青い考えだと笑われようと、一愛にとってはそれが全てだった。だからあり得ない。
一愛を縛る虐めの権化たる竜之介に、ダンジョンでも縛られるなどあってはならない。
「別に、友達だしな。それにただ大変なだけじゃねーよ」
そういって笑う竜之介に、一愛は寒気にも似た確信を覚えた。
……こいつ、俺からダンジョンポイントを奪い取る気だ。
ダンジョンではクエストをクリアすると、それに準じたポイントを得られる。ポイントを使用するとダンジョンガチャを回すことができる。ダンジョンガチャの中身は重軽傷、果ては瀕死ですら一瞬で癒せるポーション類に、既存の科学技術では到底再現不可能な【魔道具】や強力な装備等が出ると言われていた。
このダンジョンガチャは探索者にとって何よりも優先度が高く一攫千金が狙える。ダンジョンは地球が産み出したユートピアだと宣う学者達の最たる根拠でもあった。
その最も重要なダンジョンポイントを奪う。そんなことは物理的に不可能で、ダンジョンポイントはポイントを持っている人間にしか使えない。
……でもガチャから出たアイテムは奪える。
簡単な理屈だ。見えないものは奪えないが、見えてるものは奪える。それだけである。
「ま、お前がいーならそれでいーけどよ。良かったな二ツ橋? 竜が優しいやつでよ」
「…………けんな」
「あ”? お前今なんつった?」
怒りはとうに過ぎ去った、そう思っていた。
だがことダンジョンに関しては、一愛もそこまで達観してはいなかったらしい。
俺から自由を奪うな。これ以上俺に関わるな。お前なんか友達とも思ってない。さっさと死ね。
そういった激情を滲ませ一愛がいざ怒鳴ろうとした瞬間に、竜之介の手が一愛の髪を掴んだ。
「俺の聞き間違いか一愛。お前今、ふざけんなとか言ったか?」
「……う、いや、その」
「聞き間違いだよな。なぁ、聞き間違いなんだろ?」
気勢は一瞬で削がれた。
軽く殴る程度なら頻繁にするが、従順である限り滅多に暴力を振るわない竜之介からの脅しに、一愛は萎れた風船のように縮こまる。
今はいい、クラスメイトの目があるから。だが放課後は? 間違いなく逃げることもできずに集団リンチだ。初めて反抗した時もそうだった。あれは心も体も痛すぎる。
あの痛みを思い出せば、竜之介に対する反抗心は根本から折れてしまう。
「……いや、何も言ってないよ」
「そうだよな。じゃあ俺のパーティーに入るな?」
「………………………………うん」
長い沈黙の後の首肯に、竜之介は一愛の髪からパッと指を離した。
「ははは、焦らせんなよ! 俺はお前が心配で誘ってやったのに人の好意を台無しにするのかと思ったぜ? まさかそんなことするとは思ってなかったけど、よかったよかった」
「う、うん。そんなこと、しないよ」
一愛の背中をバンバンと強めに叩く竜之介に、一愛は殺意にも似た思いを覚えた。
実際は思うだけで何もできない。その事実に悔し涙を流しそうなのをぐっと堪える。
竜之介は一愛の激情に気付いているだろうに、我関せずとばかりに笑顔で告げた。
「よっしゃ! そんじゃ次の土曜に早速潜るからお前も準備しとけよ。言っとくけど、逃げんなよ?」
竜之介がそういった直後、図ったようにHRの開始を知らせるチャイムが鳴る。
同時に担任の若い男が入ってきて、チラッと立ち尽くす一愛を見て、スルーしてHRの挨拶を始めさせた。
担任は虐めに関して何の役にも立たず、また面倒という理由で強者である竜之介達の味方であることを一愛は知っている。普段ならその態度にも心を動かすことはない。
だが今日ばかりは、少し心に痛みが走っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます