第2話 中野に泊らせて

1999年、春

上京


まだ住む家も決まって無かったけれど

専門学校の入学式があるから

当面の寝床として友人宅に転がり込んだ


彼らとは短大からの付き合い

中野のどこだったかの木造アパートの1階


二人でルームシェアしていると聞いていたが

実際は常に3~4人 知った顔がいた

皆 短大出てろくに就職もしないで東京に出てきた奴らだ


男だらけのボロアパートに転がり込んだら

何かあっても仕方がないけど

身体を求められる事は無かった

それくらい男友達のような付き合いだった


翌日 サンプラザまで何とかして行った

超就職氷河期にバブリーな入学式

周りは高卒の若い子ばかりで なんか私一人浮いてた


式の帰り、会場を出てすぐ

多分同じ学校に入学したであろうカレに挨拶された

「ヨロシク」って

なんか唐突に

「ああ、どうも。」適当に愛想笑いして帰路についた

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