回禄の星空

第1話 回禄


僕たちの故郷

星空の下で

誓ったんだ

「大人になったら結婚しようね…!」





「バグー!」

「ん?どした母ちゃん」

「井戸から水汲んできてくれるかい?」

「分かった、何に使うの?」

「晩ご飯に決まっているでしょ」

「楽しみにしてるよ」


ここは僕の故郷

ラバナジ地方

エラエプ村

果物や穀物などで生計を立てている

今年で15の僕は家の手伝いで大変であった


ぽちゃん

これぐらいで足りるか

「おお、バグ君、井戸汲みかい」

「カイおじさん!体調は大丈夫なんですか?」

「心配いらんよ、ちょっと魔力を使いすぎただけだって…言ったろ?」

「…もう歳なんですから」

「若もんには負けれんよ」

ほんと大丈夫かな…

「バグ兄ちゃん!」

「リリ!どした?」

「お兄ちゃんが見えたからだよ〜」

可愛い妹だ

僕を癒してくれる生きがいだ

「友達は?」

「帰っちゃった、もう冬だから」

「スノーベアが出るからなぁ今年も狩らないと」

「憂鬱?」

「お前とか、村の人たちを守れてると思うと頑張れるよ」

…お金も少し稼げるしね

「一緒に帰るか」

「うん!!」




パチパチ

焚き火がいい感じに仕上がってきた

「母ちゃん、いけそうだよ」

「バグ、リリを連れて外へ出なさい」

「…どうしたの」

「はやく…」

バチィ!!

なんだこの音…

「母ちゃん!」

「…逃げなさい!」

ガタッ!

床…抜け…!

なんだこいつら!

「ここん、村、貧乏だなー」

「てめえ!」

「お?その斧でどうするつもり…

スタッ

プジャ!

はやっ…」

「リリ!逃げるぞ!」

「うん!!…」

出来るだけみんなを助けなければ

丘へとりあえずリリを避難させよう

「掴まっといて」

バッ!

俺は普段から鍛えたりしてるから

常人よりは高く飛べるし早く走れる

「領域魔法」

「何があってもここから出てはダメだぞ」

「分かってる」

「いい子だ」

「…なんで今頭…撫でるの」

「いやか?」

「…いつでも撫でれるでしょ…?」

「…そうだね」

命をかけても

この命は捨てない



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