第128話 閑話 スズメさんを洗ってみよう
くしゅくしゅくしゅ……
(はーい、泡が出来ました)
泡立てネットに石鹸を浸け、角が立つぐらい泡立てた後に、泡だけを両手にとって掲げる。
何だか内心得意気に成るが、誰でも出来ることなので深刻にアレだ。
だが、ソレを見ている面々の目付きが何だか怖い、ギッラギラである。
現在、風呂場の洗い場の椅子に、スズメさんと裸の一対一で向かい合わせに座って居る。
見物人はミサゴを筆頭とした嫁達、内訳としては、ミサゴ、ハチクマ、ヤタ、スズメ、ツグミ、きよら、琴理である。
なんでこうなったかと言うと。
何だか何時もの流れでの夜のお風呂がどうせだからと嫁一同に成り、因みにチェックアウトやら何やらで5人ほど居ないが。
今日の場所は離れについている個室の露天風呂だ、個室専用なのに結構大きかった。
「試しに洗ってみます?」
下心ありありで振って見た所、一瞬の空中戦の後、ミサゴの一声で投票制にしましょうと始まり、図ったようにスズメさんに票が集まったのでこうなった。
一族の結束が色々アレだが、コレが民主主義だと言われればその通りだった。
意思統一のアレコレこそが投票を制すると言う。
なお、スズメが4人で、次点はきよらが2人だった。
ハメやがったなーと言う感じの、何とも言えない叫び声がスズメさんから上がった。
「んじゃ、お手をどうぞ?」
こっちの誘導に、若干震えながらスズメさんが従う。
「お願いします」
若干震えているので、順番に、あまり怖くない方向で行こう。
「んじゃ、失礼します」
両掌を上に向けて、手を出すと、返事と同時に、恐る恐ると言った調子で手が出て来たので、そのまま手を包み込むように掴む。
んで、そのまま泡だらけの手で手の表面をもにもにわしゃわしゃしつつ、恋人繋ぎ状態にしてお互いの手を泡だらけにする。
くちゅくちゅと音が鳴る。
「手っクスとか言うらしいですよ?」
呆然とその手を見ている面々の顔が、さらに赤く成る。
実際、この手の動きとかエロいよなあとか思う。
コレからもっとエロくなる訳だが。
このままキスとかしても良いかなぁと、スズメさんの潤んだ目を見つめる、目を逸らす様子は無い、どっちかと言うと期待とかしてるっぽいな?
「んっ」
ちゅ
という事で、そのまま唇を重ねた。
「流石に照れますわな?」
余韻たっぷりに、ゆっくりと離れつつ、そんな事を呟き、苦笑を浮かべる。
「はい……」
何と言うか、流石にこの衆人環視具合は辛いものが有ったりするので、手を放して、一旦クールダウンする。
お互いに顔が真っ赤だ。
少し息を整えてから、身体の中心部に向けて、段々と洗う範囲を広げつつ、手で泡を擦り付けていく。
段々と盛り上がって来たので、更に大胆に抱き着く感じに……
「所で、臨戦態勢のアレとか、微妙にじゃまだから、多少治めるためにパンツとか穿くべきでしょうか?」
適当な意見を言って見る、奉仕者側視点だと、暴発はちょっと困るのだ、出ると賢者タイムでちょっと冷たくなりがちだし。しばらく色々な意味で使い物に成らなくなる。男の優しさの本体は基本性欲でやらしさの言いかえだと言うのが良く分かる。
「いや、それはむしろ、むき出しで行くべき」
ミサゴが勢いよく否定する。
「こすりつけるぐらいで喜ばれると思います」
ハチクマが続ける、真面目枠じゃ無いんか。
「暴発したらご褒美として、改めて中に突っ込むべきとかの話じゃな?」
ヤタちゃんが身も蓋も無い事を言う。
「身体に着いたら、大事に指とか手ですくって、中に改めて入れますよね?」
ツグミさんが混じる。
「出来れば暴発無駄打ちさせないで中に入れて欲しいです」
琴里さんが。
「むしろ欲しいです」
良いからソレを寄越せという感じのきよら。
「そこまで?」
「子種無駄にしたら社会的に死にますから」
「精子に八百万の神がいそうなノリだ……」
価値観の違いにグラグラする。
「お値段的に、本気で高いですから、そりゃあ大事にしますよ」
「高いんだ?」
「高いです、だから基本的に無駄打ち厳禁、中だし推奨です」
追い打ちが凄い。
「それだったら、こっちとしても、出来る限り一番奥で注ぎますけどね?」
出したいのは本当だが、やけくそである。
それはそうとして、洗うと言うか、セクハラ気味の手を動かすのを再開した。
不意打ち気味に、もみゅっと大きくて柔らかい部分に触れる。
「にゃ?!」
可愛い悲鳴が上がった。
「フル起動したら、むしろこう、ソレでビンタするぐらいで良いと思います」
ぺちん
「ひゃん♪」
やたらと軽快な声が上がった。
洗い終わった後で、明らかに変な事を言った犯人、琴理さんに、無言で例の本体でビンタをかましたのだ。
気持ち良い訳ではないが、ぞくぞくする感じの、変な征服感とか有る。
因みに、フル起動状態でもその部分は、根元がフレキシブルに稼働するので、基本的に痛くは無い筈だ、精神的にはどうだかわからんが。
「おー」
「良いなぁ……」
何と言うか、湧いた、感嘆の声とか、無音気味の拍手とか聞こえる。
良いんかコレ、やっておいてなんだが、ウケルラインが分からない。
こっちの感覚だとエロ親父がチチビンタされたノリだろうか? それなら分からん事も無いが。
で、やられた本人だが、堪え切れない感じに、全身ぴくぴくして居て、顔の筋肉とか緩んで居る、目尻とか下がってるし、口角も目いっぱい上がってるし。
笑いをこらえて無言になった感じだろうか?
「なんつうか、ノータイムで出来る辺り、恥じらいとか無いんですよね?」
呆れ気味のミサゴである。貴重なツッコミ枠だったか。
「そんなもん、割と初めに捨てましたわな?」
溜め息交じりに、やけくそ気味に答える。
「裸はもう見た仲ですし」
もはや見せて困るモノは無い、ドン引きされる系の性癖とかだったら困るかもしれないが。
数百ギガ単位のエロ動画とか、向こうに置きっぱなしだし。
あっちはもう後は野となれ山となれだ。
そういやあっちの時空、無縁仏的に処理業者来たんだろうか?
見物人は今の所嫁枠だけだし。
「もう一回、お願いします」
プルプル状態から復活した琴理さんから、きらっきらな笑顔でおかわりを要求された。
要求通りに、もう一回やったのは言うまでも無い。
追申
琴理さんは微妙に愉快なM枠、痛くは無い系の愉快な汚れ役は自分から行く事で周囲を和ませつつ、美味しい所を持っていきたい人。
閑話の時は時間軸ふわっとする方向でよろしくお願いします。
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