ツンデレロリ美人教師の個人レッスンは、俺を一撃でモテチートへと高め、教室はまさに隠れハーレムの様相を呈した。か。

@funakubotomohiro

第1話 ツンでデレでロリで美人な家庭教師。

『愚か者め!まんまと釣られたな。そんなんだからお前はいつまで経っても、童貞で、モテなくて、陰キャで、冴えなくて、ウジウジしながら、日陰オンリー人生を、負け犬のようにトボトボを歩き続けるんだよ。365日のマーチでお馴染みの水前寺清子先生のように少しも前進することなく。いや、それどころか、3歩も歩かず、2歩も下がらず、ただその場で立ち尽くして、世界の流れに取り残される自分を呪い、世界を呪い、ただオナニーしながら、体力とティッシュを浪費するだけの人生を流れるままに…』


突然の投げつけられた罵詈雑言、

言葉の暴力、

誹謗シャンプー•中傷リンスのデメリットを、

それでも俺が1ミリの殺意すら覚えず、

一身に享受できたのは、

そう、


間違いなく、

言葉の主である、

彼女が、


ロリロリの美少女だったからだ。



私の家庭教師となった若尾紫乃との出会いは、

まさに稲妻のように私の心に鮮烈なインパクトを

与えた。

もう、びっくりするぐらい、見事に与えちゃった。



『ちょっと!聴いてんの!?だいたいお前の目には、輝きが全く無いんだよ!輝きの『か』の字もない!『が』の字もない!『や』の字も『き』も字も無い!

なーんにも無い!吉幾三先生も真っ青な、何も無い、お先真っ暗な暗黒大陸。冨樫先生だってお手上げな、未来の見えない、果てのない、絶望しかない目玉なんだよ!』


確かに、暗黒大陸はあまりにも巨大すぎて、

冨樫先生もお手上げかもしれないが、

若干17歳の私の目を

そのように壮大なテーマに例えるのはいかがなものか…。

むしろ光栄な気がする…。

それに、吉幾三とか、

水前寺清子とか、

うっすらしか聴いたことないような名前が出てくるけど、

もはやどうなんだその比喩表現…!?



この子一体何歳なんだろう…??



俺の家庭教師を務めるぐらいだから、

大学生?

20歳ぐらい…?

でも、

どう見ても、高校生…

いや、それ以下にしか見えない…。



紫乃の幼い容姿、アイドルのように可愛らしい唇から放たれる言葉の銃弾は、

しかし、俺の自尊心を傷つけることなく、

彼女への興味や関心、

好奇心を刺激するだけであった。


『だが、安心しろ。私が来た以上は、お前をまっとうな日本男児として教育し直してやる。

腐りきった根性を叩き直し、

汚れきった心を漂白オキシドール漬けにし、

腑抜けきった心身に腑を、大量注入してやる!

覚悟しとけ!あっははっ!あーはっはっはっ!』


腰に手を当て、高らかに笑う彼女の可憐な姿。

ついニヤけてしまいながら、私は初めて彼女に対して、自分から言葉を発した。


『…あ、あの、腑を注入って、どういうことでしょうか…?』


私の言葉が耳に届くや、天を仰ぎながら哄笑していた少女の動きがピタリと止まる。


そして、顔を真っ赤にしながら恨めしそうに

私を睨みつけるその表情も、

やはりまた美少女そのものであった。


『…い…意味なんて無いし…!!そんなとこにいちいちツッコミいれないでよっ…!』


『あ…すみません…。でも、なんか…その…先生が楽しそうだから、ついこっちも楽しくなって…』

『てか、先生…めちゃくちゃ可愛いッスね…』


赤くなった紫乃の頬に、更に鮮やかに紅がさした。

分かった、俺にはそれが分かった。

なんというリアクションの良さか!



『ばっ…ばっ…バカ言ってんじゃないわよっ…!

そ、そ、そ、そ、そ、そんなの、当たり前じゃない…!大人をからかうんじゃないわよ…!

……バカ。』


『照れまくる童顔美少女の図』コンテストがあれば、間違いなく入賞していたであろうその光景は、

容赦なく私の心臓と股間を貫く稲妻となった。


おぉ…!

なんということだ…!

神よ…!


私の目の前に現れた家庭教師は、

ツンで、

デレで、

ロリで、

おまけに美人なのか…!?


こんな幸福が、

こんな幸福が、

あっていいのか!?



まさに人生万事塞翁が馬…!

塞翁に、ありがとう。

馬に、ありがとう。

人生に、ありがとう。




そして、

彼女との出会いが、

この後の私の人生に、

予想もしないような、

びっくり展開をもたらすことになろうなんて、

流石の塞じいさんも予想できなかったろうなぁ…。


うん。

この物語を、

日本中の高校男子にシェアしないと

申し訳ないからね。


人は、

自分が幸せな時にはじめて、

自分以外の他者の幸せを願うことができるのだ、

と知った、

吉田光、17歳の春であった。

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