神託のクウァエレレ

Hign

第1話:夢と朝

「婆ちゃん…俺、どうしたらいいと思う?」

「なんだい…また怖いものでも見たのかい?」

「うん……。」

「心配しなさんな…絶対に■■様が守ってくださるよ。」

「■■様?」

「そうさ…私も助けてもらった。だから、お前も助けてもらえるよ。」


 そう言って祖母は俺を落ち着かせる為に頭を撫でた。


「その■■様は僕を助けてくれるかな……。」


 そういうと、祖母は俺に対して微笑みながら言った。


「あぁ…当たり前だよ。だって、■■様は……。」




 その言葉を聞いた瞬間、俺は目を覚ました。


「懐かしいな…。10年以上前か………。」


 そんなふうに思いながら時計を見る。時刻は午前9時半。大学は午後からの講義だから少し早すぎたかと思った。


「…少し散歩でもするか。」


 そんな、いつもなら思うはずのないことを思いながらパンをトースターに入れた。そして、コーヒーを作りながらニュースを見る。


[昨日、○○市△△町で白骨死体として____さんが発見されました。____さんは、1か月前に失踪してからご家族が捜索活動がされてしましたが、昨日午前11時頃に△山頂上で発見されたました。]


「……。」


 俺はそこで違和感を覚えた。△山はとても有名で登山家がよく集まる名山だ。その山の頂上で白骨化するまで見つからなかったのはおかしい。

そんなことを考えているとトースターの

─チン

という音が聞こえた。


「焼けたか…きな臭いニュースが最近は多いな。」


 そんなふうに思いながらトーストにバターを塗る。昔感じたような気持ち悪いもの達が関係しているのかと思うと少し気分が悪くなった。


「早く食べて、気分晴らし散歩でも行くか……。」

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