第8話 アイツのこと

俺は自分の部屋に引きこもっていた


アキラからの言葉が刺さり

頭の中で何度も回っている


ずっと親友だと思っていたのは俺だけだったのか?

このままアキラが死ぬのを待てば

俺はアイツを忘れられるのか?


アキラがユキの事を好きだったなんて

全然気が付かなかった…

応援してくれていると思っていた…


俺が内定をもらった会社でアキラが落ちるなんて…

俺より優秀なアイツが落ちるなんて…

ありえないって思っていた…


それがダメだったのかな?…


俺はアイツの事…

何も知らなかったのかな?…






(♪♪♪♪♪)


………ユキからだ…


「もしもし…ユキ…ごめん、今は…」





「……トモキ…うっ…ううっ…」


「アキラ君が…」


!!!

俺は嫌な予感しかしなかった…



「さっき車にはねられて…ううっ…」



「……………」








なんでだよ…なんでアキラは死ぬんだよ…

むしろ…俺が過去に戻る度に…


これじゃ……

逆にアイツの寿命縮めてるようなもんじゃねぇかよ…


どーすりゃいいんだ…俺は……







「トモキ………うぅ…あのね…」

「アキラ君から…トモキに伝言…」




!!!!?


「……な、なんて!?」

「アキラはなんて言ってた!!!?」








「…………」










『ごめんな…』



「ってさ…」

「なによ…それ…」

「トモキ…私…」







「………トモキ?…」

「…ねぇ…聞いてるの?…」







俺は溢れる涙を何度も両手で拭った…


何度も…何度も…






あぁ……そうかよ…


もう…お前の意思なんて知らねぇ…


お前も俺のこと、全然わかってないな…










『助けてやる…』



『アイツに嫌われてても関係ない…』



『俺はアイツに…』



『生きていて、欲しいんだ!!!』



『待ってろ…』



『絶対に、俺が助けてやる……』



迷いなんてものは俺の中から消えた



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