時間を見る人
川を葉っぱが流れていく。
今という時間が通りすぎて、今という時間がやってくる。
葉っぱが小さく見えていくことに、未来を見る。でも、見ているのは未来ではなくて、今の景色に重ねた自分の想像である。未来を考えれば考えるほどに、今の自分を強く意識することに気づいた。
水のきらめきは、いつ見ても、どの瞬間も、一様でなく新しく、過去を一辺も感じさせない。
ゆらめきと光の波もまた、常々、今があることを感じさせる。
感じたものを考えるほどに、光と水のゆらめきを思い出そうとするほどに、今いる自分が強くなる感覚がある。
絶え間ない時間は、大きなもので、柔らかく自分を包み込んでいるような気がした。
確かな自分を守ってくれているような気がした。
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