無気力エルフの鬱々
@MimiKKY001
第1話 無気力エルフは勘当された
私はエルフの里の長の娘。
この里でこの歳になるまでだらけて何もしないで呆けていた無気力エルフ。
その理由は魔導を極めているから…というのもあるし、ただ単に面倒くさいからというのもある。
今日も「働きなさい。」って言われたから、「村の外に出てってもいいなら。」と条件を付けてやった。
私は自慢では無いが、
なんたって
「君を信じていたが、失望したよ。この体たらく。私は君に何度も注意喚起をしていたが…。もう私は君を養ってられるほど心のスキマはない。この里から出ていってもらおう。」
…追い出された。
私は自慢では無いが自炊が出来ない。
それに、追加で
つまり私が
…まあ、自炊はなんとかしたら出来るだろう。
家は…空き小屋を探せばあるだろう。
水は…自炊をする前の食べ物は……おやつは………。おやつは諦めよう。
砂糖の作り方すら分からない私が甘いものを食べることなんてできないだろうし、出来ないことをやろうなんて活力、私には残ってない。
残ってたらこんな体たらくになっているわけがない。
さて、どうしようか。
…確かこの方角から北に向かって道があってその道を歩くと人里があったという話を聞いたことがあった……気がする。
まずはそこに向かおうか。
私は歩き出した。
外の世界は新鮮だった。歩けば風が心地よい。
確かに里でも風を感じることはあったが、あれはただの風だ。こちらの方が風情がある…気がする。そんなことより、…疲れて来た。もう何年ぶりにこんなに歩いただろうか。しかし私は後ろを振り返って驚いた。
まだ里の門のしかも門番の顔をこの目でしっかりと捉えられる距離だったことに。私は元々こんなに動けない訳じゃなかったが、…
私は自問自答をして答えを挫折して、自分の中で納得した。
結局手を伸ばしたところで手の届く範囲のものしか届かないし、ましてや手の届くギリギリのものは守れない。
他者に奪われてしまうだけだ。
私はそんな無駄なことには目を背けて私の本当に大切なものだけを守って来た。
そんな私からすれば、動けないなんてことは造作もないことだ。
私は
「
私は体が軽くなる感覚を実感し、村までの道を駆け抜けた。
「風が気持ちいい。」
私は風を切って走る。体力も3倍になっているのでさっきよりも全然疲れない。
私は全速力で駆け抜けた。
…疲れた。後ろを見た。まだ門が薄らだが見える。これではダメだと思い、考えを加速させる。まず、私の身体能力について式を立てる。
普通の人 1×3=3
私 0.1×3=0.3
こういうことだろう、つまり私の基礎の身体能力が終わっているということだ。
ということは私が30倍の身体能力になれば問題ないということ。
私は魔導書を取り出す。
そしてこう唱える。
「
気分がハイになっているのがわかる。
この魔法の副作用だ|(違います。仕様です。)
それに、さっきまでの鬱々とした感情も綺麗さっぱり無くなっている。
そしていつもの30倍は凄まじいな。
もう後ろを振り返っても、門は見えない。
これで本当のお別れだ。私は前に進む。人里を目指して私は風を切りながら移動した。
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