第12話 悪魔

教会に忍び込むと


杏子先生と詩くんは教壇に上がる





「私、夜凪 杏子は、赤兎 涼を生涯愛することを、ここに誓います」


「僕、天野 詩は、赤兎 涼と生涯を共にすることを、ここに誓います」





「え?」


僕はフリーズした


二人は何をやっているのかと





杏子先生は自信満々に話し始める


「涼くん、わかってるのよ」

「でも、どちらか決めなきゃダメ」


「私か、天野くん、どちらかと、ここで」


「永遠の愛を誓いなさい」





これは杏子先生と詩くんの二人で決めたことのようだ





「選ばれなかった方は、その場で死ぬんだよ」

「君が決めたのたら、僕は受け入れる」

「だから君に決めてほしいんだ」


詩くんも覚悟を決めていた








僕は…






「僕は…」

「どちらかなんて、選べない」

「片方を失うなんて」

「僕には…」




頭の狂った3人の運命は

僕の決断に委ねられている





杏子先生は言った






「涼くん、あなたが決めていいのよ」


「あなたの欲望のままに」


「どうしたいの?」









僕がどうしたいのか?



僕は



杏子先生の言葉に従うことにした




誰かのためじゃない

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る