第9話 紅葉

全く興味ないけれど


紅葉が綺麗な季節らしい


天野 詩を連れ出して


私は車を走らせる


どこへ向かうのか


もはやどうでもいいのだから









「私ね、今日君を殺すつもりなの」


「だって、許せないじゃない?」


「私の涼くんを奪おうだなんて」


「そうなんでしょ?」





天野 涼はその綺麗な顔を少し強張らせて


私への返答を考えているように見えた





「あなたは酷い人ですね」




天野 詩は私を逆撫でする




「僕なら涼くんと共存できるんです」


「奪うだけのあなたとは違う」








あぁ、もう殺したい


今殺したい




興味のない景色がなおさら濁って見える




私たちの幸せな時間を壊した


こいつを許せない








「ひとつ、提案があるんです」



天野 詩は馴れ馴れしい態度で

私に喧嘩を売ってきた

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