第22話:風呂上り

「ふ~、サッパリした」


 風呂から上がって軽く髪を乾かす。

 やはり風呂は良いな。のんびりと浸かっていると1日の疲れが解け出る感じがする。面倒な時はシャワーで済ますこともあるが、出来れば毎日入りたいもんだ。

 そして風呂上りに飲む冷えた麦茶も美味くて最高なんだよな。


 というわけでさっそく飲み行こう。

 そう思い冷蔵庫に向かう途中で晴子とバッタリ出くわす。


「お。上がったばかりか」

「ああ。晴子もすぐ入るのか?」

「そのつもりなんだけど……まだメシの用意して無いんだよな。オレは時間かかるから先にメシにするか?」


 そろそろ腹も減ってきたことだし、晩飯にしたいところだ。

 ここ最近は晴子が料理することが多い。晴子は料理の腕が上がってきてるし、美味しいメシにありつけるから晴子に任せっきりになっている。

 しかし毎日作らせてるというのも悪い気がする。今日は俺が作ろうかな。


「じゃあ俺が作るよ。その間に風呂入ってこいよ」

「春日が作るのか? いいの?」

「ずっと晴子に任せるわけにはいかんからな。今日は俺が作るよ。とはいっても大したものは作れないけど」

「そっか。なら春日に任せるよ。んじゃ風呂行ってくる」

「おう」


 そして晴子は風呂場に向かっていった。

 さて。俺も料理を始めないとな。


 軽く麦茶を飲んだ後、着替えてから料理をすることにした。


 しばらく台所で料理をしていると、風呂場から音が聞こえてきた。どうやら晴子が風呂から上がってきたらしい。

 俺も丁度料理が終わったところだったからいいタイミングだ。


 テーブルの上に料理を並べていると、晴子が姿を現してきた。


 のだが――


「あ~、サッパリした」

「お、丁度いい。たった今出来上がったばかり…………んなっ!?」

「ん? どうした? なんでそんなにビックリしてるんだよ」

「なななな…………」

「……?」


 晴子の姿を見て驚くのも無理ないだろう。


 だって……


 だって晴子は……


「なんで着てないんだよ!?」


 そう。晴子はパンツだけしか着ていなかった。

 つまりは上半身は裸のパンツ一丁なのである。


「別にいいだろ。春日だってさっきこの格好だったじゃん」

「それはそうだけど……晴子の場合は事情が違うだろ!!」

「あーそっか。そういうことか。まぁ別にオレは気にしないから大丈夫だって」

「俺が気にするんだよ!!」


 晴子は見た目だけならかなり美人だからな。そんな人が半裸でうろつかれたら目のやり場に困るっての。


 ……しかし晴子のおっぱいはなかなかのサイズだな。

 そういえば前に聞いた時はDカップとか言ってたっけ。見た感じだともっと大きいようにも見える。

 綺麗でピンク色の柔らかそうなおっぱいだ……


 …………って違う!


「ふーん。そんなに凝視するなんてやっぱり興味あるんじゃねーか。このままで居ようか?」

「う、うるさい! さっさと着てこい!」

「そんな我慢しなくてもいいのに」

「いいからさっさとしろ! 料理が冷めるだろ!!」

「はいはい。そんなに怒るなよ。ったく変なところで意地っ張りなんだから」


 ようやく部屋に向かっていく晴子だった。


 チクショウ。男の性に逆らえない自分が悲しい。

 そりゃあ俺だって男なんだからおっぱいに興味があるに決っている。だけど晴子をそういった変な目で見るのは違う気がする。

 いくらなんでも身内に欲情しちゃうような奴とは違う。そこまで落ちぶれてはいない。

 特に晴子は身内以上の関係だからな。晴子にとっても俺に変な目で見られたくないはずなんだ。俺だったらそう思うだろうし。

 だから晴子相手にそういったことはしないようにしている。


 ……なのに毎回からかってくるからな。

 相手が俺だからかどこまでなら平気なラインなのか知り尽くしてるんだろうな。

 いつか襲ってしまいそうで怖い。


 ま、向こうが変なことしてこない限りは大丈夫だろう。

 ……たぶん。


 その後、着替え終わった晴子と一緒にメシを食うことにした。

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