第18話 魔女
ところで、メアリーの金髪にはある
「メアリーが赤毛だった頃を覚えていて?」
リリィが
アレックスが一瞬答えあぐねて、苦々しい笑みを浮かべる。
「覚えてるよ。あの頃からひどいお転婆だった。メアリーのせいで、僕もリリィも面倒なことになったんだ」
どうやらアレックスにとって思い出したくない記憶らしい。どこかよそよそしい口調だ。
実際それは忘れようのない事件だった。メアリー九歳。金髪への憧れと赤毛への嫌悪がどうしようもないくらい高まって、いても立ってもいられない状態に陥っていた。リリィはほんの六歳で、メアリーがよく下唇を噛んでいたのを覚えている。アレックスだってその時にはメアリーの行動力に
イリヤ城の岸からほど遠くないところに、魔女の住む小島が浮かんでいる。島自体はなんの
どうやって九歳の女の子が魔女の噂を聞きつけたのだろう。メアリーは皇女付きの侍女として教育を受けていた身分だったし、その辺の野育ちの子どもとは違ったのだ。魔術や魔女の存在を公然と信じるのは平民のすることであって、高貴な者のすることではない。民衆の間では、魔女は村や町の治療師の手に負えない病気を
イリヤでは昔から魔術師や魔女、魔法の
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます