第26話 天使
嬉しさのあまり僕の意識はアッチの世界まで飛んでいった。そこでは僕は自由に走り回れるし、自由に話せるんだ。
そこには、天使がいた。
子どもみたいに小さくて、金髪でくるくるの髪に背中に白い羽が生えている。よくイラストなどで見かけるイメージ通りの天使だ。
僕は誰でもいいから伝えたくて、天使に向かって大声で叫んだ。
「ねぇ、天使くん、聞いてよ。僕の母さんに僕の思いが通じたんだ!パソコンでコミュニケーション出来そうなんだ」
天使は僕の方を見た。
「これで、僕の想いがパソコンで言葉にできるかもしれないんだ。ねぇ、すごいでしょう?」
『……………』
「何を伝えるか今から楽しみでしかたないよ」
最初に言う言葉だけはもう決めている。
天使は『ふーん。良かったね』とそっけなく言った。
「キミ、本当に天使なの? ちょっと冷たくない?」
『僕は天使だよ。見てわかんないの?』
見た目だけは天使っぽいってことはわかるけど……
「ふーん。なんかイメージと違うなぁ」
『今のキミの方が天使みたいだね』
天使は笑った。
僕も笑った。
神さまありがとう。
僕は嬉しくてしかたないよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます