第23話 入院
入院すると体中に管を繋がれて、僕はなんとか生かされる。口にも鼻にも腕にも下の方にも管だらけだ。
身体は元々動かせないけど、目眩が酷くなって、ずっと気持ちが悪いんだ。その上、頭も胸もお腹も全部痛い。身体は麻痺してるくせに、痛みや気分が悪いという感覚だけはしっかりある。
痛くて気持ち悪くて、睡眠が途切れ途切れになったりして、ずっと苦しいよ。
体調が絶不調になると弱気になってしまう。もう、楽になりたいと思ってしまう。
その上、僕はここまでして生かされる価値はあるのだろうかと、自分の存在価値を疑い出すようなことが頭をよぎったりもする。
そう、思ってしまうのは仕方がないかもしれない、と自分を慰める。だって、身体がこんなに辛いんだから。息を吸うことも吐くことも自分の力で出来ない。苦しくてこのまま死んじゃうかもしれないと思う。
こんなに辛いんだからさ、
たまには弱気になってもいいよね。
そういうこともあるよね。
そう思ってしまう自分も許そう。
そのうち体調の回復とともに、心も前向きになるはずだから。
そうだ!
僕は思い出した。
僕はこんなところで死ぬわけにはいかないんだ。
だって、僕には夢があるからね。
僕の想いを文章にして伝えることだ。
今、結構いいとこまで来てるんだから、きっと上手くいくはずだ。
僕は自分の想いの真ん中に戻ってこれた。
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