皇帝が妃子選挙大会で美人を選んだという噂は、すぐに後宮の隅々に広まった。

 この美人は細腰で、手の上で踊れる*というが、皇帝に大好されていた。

 劉貴妃は初めて聞いて、たとえ不快と思っても、蔑みの視線しかしていた。

 「ただの掌上で踊れる妓女なんて、皇帝にとって必ず数日で飽きてしまうだろう」という皮肉を言った。

 しかし、その寵愛は逆に激しさを増し、苛烈になる一方だ。

 皇帝は美人に妃の位を進めさせ、珍しい宝物を賜って、毎晩彼女のところに行く*、貴妃の当時のありさまを上回るばかりだ。

 貴妃は角をはやして、宮廷の物をぶっ壊し、宮人に腰を細く縛られると言いつけた。

 ただし、彼女はもう子供を産んだ女で、どんな腰を縛られたとしても、二十歳の春を迎えた新しい美人に及ばない。

 特に掌上で踊ると、随行の宦官二人も引っ張り上げられなかった。

 貴妃は激怒し、直接に彼らの手を切り落とした。

 「一人ひとりが役立たず、私の体を支える力がないのか、この手は何に使えるの?」

 「また、あなたたちが力がないのなら、手を切ってしまえ!」

 宮人たちは動くことの勇気もない。

 引き締めすぎると呼吸ができず、殺されることになり、弛むとおなかがまだ太っているので、同じように頭が落ちるかもしれない。

 食べないと絶食で腹が空いてくるが、食べたら体重が下がらない。

 今にもどんな手段を尽くしても皇帝は自分に目にしない、貴妃はさらに怒り狂った。



* 趙飛燕は体つきが軽いので、漢成帝は彼女のために水晶皿を注文し、よく宮人が持っている水晶皿の上で踊らせたという民間伝説が伝わっている。「掌上舞」という言い方はここから来ている。宋の詩人聶夷中の『大垂手』は、「金刀で雲を切り、盤に黄金の緒がつく。趙飛燕は装束をして、掌の上で舞わせる。」という述べている。


* 皇帝はお気に入りの妃のところに行って、一緒に良い夜を過ごすものだ。

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