目が覚めたら異世界転生して男女比1:20?!こぼれ話
桜蘭
陸の話
第1話 陸と唯華1
「悠馬くんっ!放課後だよっ!!」
放課後になって直ぐ、俺の隣の席の悠花がそんな事を言ってくる。
だから俺は咄嗟に……
「なっ!?!?に、逃げないとっ!!!」
「え…?えぇぇ?!」
「あぁ…放火、後ね……」
「こんな分かりにくいボケを直ぐに理解してくれる!そんな薫が俺は大好きだぁー!!」
「ふぇぇっ////いきなりっ///私もだけどっ///」
何故か一気に真っ赤になってわちゃわちゃ仕始める薫を楽しみながら眺めてると、隣のクラスから愛央と志保の二人がやってくる。
「はぁぁ…何をしてるの?悠馬。」
「薫さんを誂って遊ぶのはどうかと思いますよ?」
若干呆れた顔をした愛央と志保の姿を確認して席から立ち上がった。
「放課後だよ!何て言うから思い付くまま…つい?ね?てか見てたの?」
「いーえっ!かおるんがわちゃわちゃしてるから、悠馬が何かしたんでしょーって思っただけーっ。」
「合ってるけど…納得いかねぇ〜……」
「ふふっ。良いでは無いですか。それだけ分かって下さってるって事何ですし、私も分かりましたよ?」
へーへーそうでございますかー……くそぉー何か悔しい、分かって貰えてるのは嬉しいけどさ。
そんなやり取りをしてる間に一年の方から俺達の教室まで来た陸が、俺に声をかけてくる。
「あの!悠馬先輩!今日って時間ありますか?相談したい事があるんですけど‥‥」
「うん?陸か、どうしたんだ?」
「少し相談したい事があって…それで…」
ふむ…何か思い悩んでる感じか…
「良いよ。取り合えずここじゃアレだし場所変えるか?」
「はい、出来れば…」
「んじゃ、俺の家にでも行くか?」
「お邪魔しても良いんですか?」
「何となくだけど人に聞かれたくないって感じだろ?」
「そうです…ね。出来ればですけど…」
「んじゃ決まりだな。行くぞっ。」
直ぐに席から立ち上がって愛央達と陸を連れて残ってるクラスメイト達にまた明日と挨拶して帰宅する。
帰り道で色々と話しはしたけど愛央達にも聞かれたくないらしく教えてはくれなかった。
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~悠馬の部屋~
「それで、どうしたんだ?」
真っ直ぐに帰宅した俺は陸を部屋に招き入れて待たせた後に、キッチンから飲み物と簡単な食べ物を持ってきた。
それをテーブルに置いて、陸からの話を聞く体制に入った。
「あの…俺…その…」
「どうした?変な遠慮なんかすんなよ?気楽に相談してくれて良いんだからよ。」
「は、はい…その、俺…実は好きなんです……」
「う…ん…?」
「ずっと我慢してきました…でも、もうこの気持ちを抑える事が出来なくて…毎日その…好きが溢れて来てて…」
「お…おう…」
「それで、この気持ちを伝えるべきか悩んだって言うか悩んでて…」
「伝えた方が良いんじゃないか?言われた方は嬉しいと思うし、応えるかどうかは別にして…さ…」
「は、はい!でもその、タイミングが…俺、先輩の事が…」
「ぉぅ…?ぉぅ…」
バンッ!とテーブルに手を付いて陸は自分の気持ちを伝えてくる。
「俺!先輩の事が好きなんです!付き合いたいんです!!!」
「いや…その…なんだ…気持ちは嬉しいけど俺は女の子が好きでな?」
「は…?」
「だから気持ちは嬉しいけどごめんな。」
「いや!違いますよ?!そっちじゃ無いですからね?!」
バンッ!と俺の部屋の扉が開いて菜月を筆頭に一緒に付いて来ていた愛央達もなだれ込んでくる。
聞き耳立ててやがったな…こいつら…
「駄目だからね!悠馬になんて!」
「そうです!悠馬さんは渡しません!」
「いくら何でも悠馬くんは諦めてよ!」
「まさかそっちの趣味だとは思いませんでしたよ?!高梨くん!!!」
「すまん!陸!俺は女の子が好きなんだ!だから諦めてくれ!!!」
「だから!違いますって!そう言う意味でもそう言う事でも無いですってば!!!」
俺を守るように清華と愛央が俺を左右から抱きしめて志保と菜月が前に立って俺を守ってる。
「ですからー!!!双海先輩を好きなんですってば!!!」
シーーーーーーーン!うん、ぶん殴る!!!
「って…あれ…?何で皆さん目が座ってるんです…?怖いんですけど…?せ、先輩方?菜月さん?」
「「「紛らわしいんじゃぁぁぁぁ!!!」」」
「「紛らわしいんですよーーーー!!」」
ガッツン!と俺からゲンコツが陸の頭に突き刺さった。
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「痛いです…」
「自業自得だぼけぇ!紛らわしい言い方しやがって!!!」
「うぅ…それはそうですけど…」
「はぁぁ…焦った…それで?結局どうしたいの?高梨君。」
「と言いますか…お付き合いしてるのでは無かったんですか?」
「だよね。普通に付きあってると思ってたよ。」
「いやそれが実はまだ…その、何かタイミングが…」
「えぇぇ…だって学祭でデートしてたよね?二日とも。」
「秋祭りも一緒に居ましたよね?」
「クリスマスとかも一緒に過ごしていたんですよね?」
「初詣も一緒だったんだよね?」
「そんだけ一緒にイベント過ごしててまだ付き合ってないってあり得なくね?」
「まだ伝えて無くて…好きですともはっきりと言ってないですし、付き合って欲しいとかも特には…」
はぁぁぁぁぁぁ………俺の部屋に俺と、愛央、志保、清華、菜月のでっかい溜息が鳴り響いた。
「うっ…そんな揃ってクソデカ溜息つかなくても…」
「そうなるだろ普通…んで?結局どうしたいの?」
「それはその…付き合えたらなとは思いますけどもう直ぐ卒業しちゃいますし…進学するって言ってたので俺よりも大人の人と知り合うだろうし邪魔かな…って……」
「ふーん。それなら諦めたら良いんじゃね?」
「え?せ、先輩…?」
「邪魔とかくだらない事考えて自分の気持ちも伝えられない程度の想いなら諦めれば良いだろ。」
「そ、そんな!!!」
「そうだねー。そうやって曖昧なままで過ごすならきっぱりと諦めるべきだね。」
「その方が双海先輩も忘れられるでしょうね。」
俺の言葉に、愛央も志保も賛同してその程度なら諦めてしまえときっぱりと言った。
「そ、それが出来れば!こんなに悩んだりしてませんよ!!!!相談だってしてません!!!」
「唯華が言ってたけどさ…俺じゃ駄目ですか?先輩の側に居るのが俺じゃ駄目ですか?星川先輩にとっての悠馬先輩って意味です。俺じゃ駄目ですか?って学祭の時に言ってくれて、頑張ってくれたのが凄く嬉しくて幸せだったって言ってたよ?」
「伊集院先輩…双海先輩がそんな事を…?」
清華は陸の問いにコクリと頷いて話を続ける。
「それなのに諦めるの?このままで良いの?あの日、唯華に言った言葉は嘘だったの?」
「違います!言った言葉は全部本気で!俺は!俺は!双海先輩が好きなんです!だから!だから!」
「だったら伝えれば良いじゃねーか。何を悩む必要があるんだよ。もう直ぐ卒業する?進学先に自分より大人が居る?だったらなんだよ!そんな相手が現れても関係ない!俺の女だ!って自信持って言える様になれば良いだけだろ!」
「そ、それは…そうですけど…」
「それにこれは、翼に学祭で言った言葉なんだが…俺に追いつきたいって気持ちは嬉しく思う。でもな?今の翼のままで良いんだよ。俺を目指すのを止めろとは言わない。でも、翼らしさを失くす様な事だけは駄目だぞってな?これは翼だけじゃ無い陸にも水夏にも健司にも皆に言える事だ。」
俺を真っ直ぐに見ながら陸は俺の話を聞いて居る。
「俺の言った事を理解できるなら何をするべきなのかは、分かるよな?」
「はいっ。分かってます。ちゃんと決めましたっ。」
「なら良い。協力してやるよ、大事な後輩の決意だ。無駄になんてさせねぇわ。だろ?皆。」
「「うんっ!!」」
「はいっ!」
「勿論、私も協力しますね!高梨くん!」
「ありがとうございます!お願いします!」
さって…それじゃ作戦会議だな!陸の決意を無駄にしない為にも確りと計画しないとな!
こうして、陸の告白大作戦が幕を開けるのだった。
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こう言うのも出して見ようかと思いまして、先行配信でサポーター限定で出していたお話になります。
不定期な更新になりますけどお読みいただけたら幸いです。
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