第6話 幼い誓い

2017年9月20日 PM8:00


「ごめんなさい・・・」

恥ずかしそうに俯く絵美を優太はジッと見つめていた。


「そんなこと・・僕こそ、ゴメン・・・」

うす暗いアパートの一室で抱き合う二人のシルエットが窓に映っている。


絵美と優太。

二人は大学に入学した時から惹かれ合っていた。


だが。

控えめな性格は想いを告げるまで時間を費やした。


ようやく、初めてのキスを。

優太のアパートで交わした後。


それ以上のことを。

絵美は拒んだのだ。


「まだ、怖いの・・・」

いじらしい天使を、優太は抱きしめる温もりの中で壊さぬよう気遣うのだった。


「うん、ゆっくり・・・」

自分に言い聞かせるように囁く。


「ゆっくり・・愛していきたい・・・」

「優君・・・・」


男の優しさを絵美は摺り寄せる胸の中で噛みしめるのだった。


そのためらいが。

後の不幸を呼ぶとも知らずに。

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