フレンズテール~狐のVRMMO珍道中~
ゆきんこ
プロローグ
それは自己進化型AIによって運営および管理されるVRMMORPG。このゲームは、プレイヤーが完全に仮想現実の世界に没入し、異なる種族や職業、無限の冒険が待ち受ける広大な領域を探索できるよう設計されている。このゲームの最大の特徴は、高度なAIが運営を担っていること。このAIは自己学習能力を持ち、プレイヤーの行動や好みに応じてゲームの内容を進化させ、常に新鮮で挑戦的な体験を提供する。
あの事件から1か月が経ち、Ethereal Chronicleの世界は、一大イベントの興奮に包まれていた。第三次出荷分600万人記念のエキシビションマッチで、この世界で二大レギオンが激しい戦いを繰り広げていた。
『お待たせしました!復旧アンド600万人突破記念エキシビションマッチを開始しまーす!どちらのレギオンも頑張ってね!』
空中では、竜に変身した戦士が、羽の生えた女の子との間で息をのむ一騎打ちを繰り広げている。彼らの戦いは、まるで古代の伝説が蘇ったかのよう。竜の咆哮が空を裂き、翼の一振りが風を切る音が響き渡る。観客は息を呑んでその壮絶な戦いを見守っていた。
地上では、フリフリの衣装を着たプレイヤーが輝くバリアを展開し、炎の精霊の猛攻を防いでいる。その後ろでは冷静な弓使いが正確に矢を放ち続ける。前衛と後衛が完璧に連携し、敵を次々と打ち倒していく。この二人の動きはまるで一つの生き物のように調和していた。
一方、別の場所では、巨漢の狂戦士が3人の相手を圧倒していた。彼の巨体は動く要塞のようで、一振りの斧が地面を揺るがし、周囲を吹き飛ばす。観衆はその圧倒的な力に魅了され、彼の荒々しい戦いに熱狂していた。
アリーナの中心では、二大レギオンのリーダーが対峙していた。互いの目には強い意志と決意が宿っていた。「やっとこの時がきたなぁ!」と一方のリーダーが叫び、「今日は私が勝ちますよ……!」ともう一方が冷静に応じる。その瞬間、剣が交錯し、光の閃光が走る。衝撃波が観客席にまで届き、会場は熱狂の渦に包まれた。
このエキシビションマッチは、単なるゲームの域を超えていた。プレイヤーたちの熱い魂と、互いの力を認め合う尊敬の念が交錯する壮大なドラマであった。戦士たちの汗と涙が、Ethereal Chronicleの世界をさらに豊かで生き生きとしたものにしていた。
『Ethereal Chronicle』の世界は、これからも続く冒険、友情、戦い、そして新たな物語を紡いでいくだろう。これは、そんな物語の始まりのお話である。
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