ゼロからはじまる異世界ゲーム生活~27年ぶりにログインしたら最強はペットのアキちゃんになってました。どうしよう、ペットにステータスが敵わない。助けてください~
第11話 子どもまでをも産めるししっぽも掴める
第11話 子どもまでをも産めるししっぽも掴める
水を塞いでいた栓が抜けて、水量が爆発的に増えた川の水。
夏芽が船の形になってくれたのでそれに乗って下山したよ。
喫水を浅くすれば船が通るくらいの水量が山頂から噴き出すなんて不思議だけど、ここはTSS。不思議が起こっても何ら問題はない。
ちょこちょこ残っている汚れを綺麗にしながら、船で山を下って湖へ。
ウンディーネさんが出迎えてくれた。
「皆様ありがとうございます。山から来る水が浄化されました。これで私たちは生きていけますし、ここ一帯が汚れと毒で汚染されることはもうありません」
「どういたしまして。皆さんはこの後どうされるのですか?」
「私たちはここで繁殖をします。この素晴らしい自然を守るために私たちはここに生まれましたから」
どうやらウンディーネは同性生殖できるらしい。女性しかいないから当たり前か。10数人もいればちゃんと繁殖していけるようだ。
「私たちから皆様へ贈り物がございます。これをどうぞ」
すると、ウンディーネの長老さんから差し出された手から淡い光が。それが頭の中に入ると……。
【水耐性1、水中移動、水中呼吸、のスキルを手にしました】
「え! スキルが手に入ったんだけど!? スキルって受け渡しできたりするの!?」
「精霊クラスなら可能ですよ。上手に利用してくださいね」
ひゃっほう! 全員取得したからみんなで水浴びするぞー! 湖へダイブだー!
ぱんぱかぱーんぱんぱかぱーんぱんぱかぱんぱかぱんぱかぱん
【大ミッションをクリアしました。2000経験値、20スキルポイント、15万ドルエンを入手しました】
お、これでミッションもクリアか! よーし景気よく服をスッポンポーン!
「雪菜殿、水着はないのでござるか」
「持ってきてないよーどしたの? 下着で良いじゃん」
「目のやり場に困るというか、でござる」
そんなに私スタイル良いかなあ。現実の私を元にこのキャラは作っているので感覚がよくわからない。
まあいいや、カザリンは放っておこう。女の子だけ楽しめば良いじゃろ。
水中移動スキルが凄くて、水中で三次元軌道を描くことが出来る。これはマジで凄い。浮力とか関係ない。
水中呼吸も凄くて、唇に膜が出来て、そこから酸素だけ透過して呼吸してる。えげつない。
さすが精霊、もの凄い物を持っているね。
ぴょん子のおっぱいが「K」カップ、つまりKnightカップだったコトにびっくりしたり(猫背と着痩せでわからなかった)
ぴょん子の方がスタイルが良かったことに嫉妬したり(身長は私の方が上だい!)
アキちゃんの泳ぎがもの凄いことに震えたりと、いろいろと楽しんでました。
「いやー楽しんだ楽しんだ。臭かったころと違って水質が抜群に良いね、ここ」
「いいからあたしの胸を揉むのやめろ! セクハラで運営に訴えるぞ!」
「いやーん、んもー、ただのスキンシップなのに。やめてあげるか。セクハラ厳しいからな
でも最後まで出来るどころか子どもまで産める。男性が女性キャラになって子ども産むのももちろん出来る。もう出産の痛みは男性と共有できるのだ。さすがだなTSS。
「ぴょん子が暴行されそうな際は真っ先に駆けつけるからな、安心しな」
「おまえがいうな。さっきまで暴行してたぴょん」
「ぴょん子とアキちゃんは俺が守る」
怪訝な顔をされながら湖での水泳は終了し、着替えて帰路につく。
「この度はありがとうございました。お礼は必ずいたします」
「あーいえいえ、こっちも目的あってここまで来たので。それではまた」
あーウンディーネのおっぱいぷるんぷるんだったなー、と思いつつアルダス村まで戻ったのでした。
「あ、アルダスさんだ。おーい、アルダスさーん」
アルダスさんは大きく手を振って出迎えてくれました。デカい虎人がさらに大きく見える。
「おう、お帰り。首尾はどうだった?」
「ウンディーネ居ましたよ。すんごい綺麗な水と一緒に」
「ほー、そうか。それじゃあウンディーネが居る方面は開拓しない方が良いってことか」
どうなんだろう。排水の流れが来なければ問題ないような気もする。
でも人目を気にするかな。ウンディーネが集団でいるんだもんね。
「そこら辺は直接会って話を詰めると良いと思いますねー。意外と交流に意欲的かもしれませんよ」
アルダス村で一泊。
今日はヒンゴー鹿とモンブル猪が捕れたらしく、お肉が食卓に上ったよ。
鹿の肉は癖があるけど新鮮だったのでジューシーだった。かぶりつくと流れる肉汁、漂う野生の香り。
スパイスがかかっていてその香りが口内を刺激する。いやー美味しいね。
食中毒と寄生虫が心配なのでしっかり火を通すんだけど、それでも溢れる肉汁はたまらんかった。
対して猪は上質な豚。私、現実世界では美味しいもの食べてるけど、こう風味豊かな赤身で脂身が美味い肉もなかなかないね。
普通脂身は臭いんだけどね、餌の香りもため込むから。狩りした後の血抜きとか、処理が上手なのかな。
肉は歯ごたえがあって肉食ってるー! という感じがするし、ニンニクとローズマリー、後なんだろ、タイムかな、スパイスがひじょううううううううによく合う!
現実世界でもジビエ肉食べてみようかな。そういう美味しさだったよ。
翌日。
『がらんごろーん』
「アーキーちゃーん-!!」
アキちゃんはおきつね族。狐だからいたずら好き。それでもこれは許せない!
私の安眠を阻害するのは許せないよ!
「オーバードライブレベル7! 逃げるな子狐ぇ!」
「は、速い!」
オーバードライブは肉体の強化もするため、レベル7にもなれば相当な肉体になる。
さすがのアキちゃんでも逃げられないのだ。
しっぽを掴んで宙吊りにする。
おきつね族にとっては最大の危機であり最大のお仕置きである。
「びええええええええん、ごめんなさああああい!! 許してくださああああい!!」
ジタバタ暴れるアキちゃん。しかし今回ばかりは許せない。
「もうがらんごろーんはしないと誓うか」
「しませんしません、もうしませええええええん!!」
ゆっくりと地面に下ろし解放する。
アキちゃんは私に抱きついて大泣きしていた。
私だってこのお仕置きはしたくないのだ。
でもやらないといけないときもある。
「いたずらもやり過ぎには注意しようね、アキちゃん」
「わがりまじだぁ」
鼻水をべっとりと私につけて泣くアキちゃん。
ま、クリーンアップで汚れは落ちますからね、気にしない気にしない。
珍しく大ミッションが出なかったので、自宅でゆっくりしようかな。
「でも大ミッションが出ないなんてことある?」
『普通はないのですが、雪菜さんは規格外ですからね。イレギュラーもあるかもしれません』
ふーん、そういうものか。ヘルプさんが言うならそうなんだろう。
「それじゃあ一旦私たちは帰るね。また来るよ、アルダスさん」
「おう、いつ来ても大歓迎だからな。好きなときに来いよ。村人全員待ってるからな!」
「ばいばーい、おじちゃん」
「お嬢、おじちゃんっていわない約束だろうー」
アルダス村で小ミッションをこなした後、私たちは一度自宅へと戻るのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます