第16話
学園は単位制で自由にカリキュラムを組める。だからこそ、ゲームでヒロインは学年の違う攻略対象者と交流出来たんだよね。
でも、今年から2年次に編入してきた俺は通常三年間かけて取得すれば良いカリキュラムを二年間で取りきらないといけないという無理ゲーを押し付けられている。
「アレックス心配しないでも大丈夫ですよ。きちんとサポートしますから。」
時間割を組みながらノワールが微笑んだ。格好良すぎて、後ろで何人か女子学生が何人か倒れているぞ。あっ、黒子が運んでいった。すごいな、対ノワール用黒子まで存在するなんて…。
まあ、ノワールがついてるし、大船に乗ったつもりで、頑張って卒業を目指すぞ。
カリキュラムには初級中級上級の三種類があって、上級のみ取っていけば一年で簡単に卒業資格を得る事ができるようだ。
父やノワールはその方法で卒業資格を一年で取りきったらしい。すごいじゃん、その裏技。なんで皆使わないのかな?
それに、良く考えたら悪役令嬢って、めっちゃチートだったりするじゃん!
俺、悪役令息だし、あの父の子供だし、ラスボスみたいな扱いだから楽勝なんじゃね?
チート最高!
というわけで、魔術実技基礎初級。
ファイヤーボールが出せたらそれだけで単位をもらえるという超穴場の授業。
倍率20倍という難関を潜り抜けこの授業を取れた俺、やっぱりラッキー。幸先良いぜと喜んだものの。
俺ってば、なんでできないんだろう。
あの父とノワールが身近にいたにも関わらず、小さなファイヤーボール一つ出せない俺、情けねー。
チートってどこ?悪役がこんなに最弱でいいの?
ファイヤーボール一つに苦戦する俺にくすくす笑う奴ら絶対に許さねー。後ろを振り向いて睨み付けてやったら、びたっと笑い声が収まった。皆、赤い顔をして固まってる。
はは、ざまあーみろってんだ。
あれ?俺、今日も悪役令息のフラグ折りに失敗したんじゃないか?
頭を抱えた。
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