第10話 漂流者が母国に帰りたいって思わないのはおかしくね?

 宇宙冒険中に事故に遭って近所の星に墜落。その星の人の警察みたいな人に連れていかれて尋問に遭うもなんとか逃れようとする。ここでお約束の知識チートを披露。支配者が異なった星で主人公を認めて「俺ツエー・チート・ハーレム」展開。おかしくね? しかも領地までもらって。異星人と子供まで産むんだよ。宇宙の僻地(=果て)で。お前は故郷に帰りたいって思わないのかよ。俺が同じ星の出身者だったら「こんな僻地でお前は何やってるんだよ。とっとと故郷に帰ろうぜ!」って言うよ。


 もっとも超未来の技術をもってしても再漂流して故郷に帰れずアウトかもしれんがな。


 それともこう言うのかな。「すまねえ。もう家族を持っちまった。それにここは楽園だ。もう帰れねえ」と。それはこの星の支配者の目論見通りなのに。お前を帰らせないようにしてるんだよ。気が付いた時には遅かったって奴だな。この星の支配者がなんで君が持つオーバーテクノロジーに興味ありありで宇宙の情勢までも聞きたがるのかちょっと考えた方がいいぞ、なろう主。いくらなろう主の故郷では異世界転生したがるほどみじめな生活をしてたとしてもだよ? それともなろう主がはっと気が付いて故郷に帰りたいって思う時はもう老年になってからなのかな。「もう遅い」けど。父や母の葬式にも出られず見ず知らずの土地で人生を過ごす。それ、幸せなんだろうか。


 それどころか別の星の航海士や警察が後からやって来て「こいつは冒険者なんかじゃありません! 宇宙海賊です!」って密告される可能性あるよね。冒険者なんて半分海賊みたいなもんだし。なろう主は本当に私掠免許を持っている可能性すらある。敵星の船なら略奪していいという海賊免許の事だな。(※海賊って誰でもなれるわけじゃないです)

 なんでそういうシーンがないのかなと。で、遅れた文明の星にほいほい武器を与えてあげくは宇宙船の造船技術までも与えるこのテンプレってどっから来たんですかね。異なる星で異なる宗教の星で異なる土地の領主になって主人公はうれしいのだろうか。そのオーバーテクノロジーで戦争に勝ってうれしいのだろうか。こうしてこの星は乱世が終わり統一政府となりました。で、その後のスローライフって楽しいの?


 私だったら嬉しくとも何ともないぞ。


 君の墓は宇宙の果てにある星の大地に偉大な人物として築かれるだろう。それって……バッドエンドじゃないだろうか。


 結論4;宇宙世界でなろう系を展開してもたぶんバッドエンドだぞ、これ


 ここからは推測だぞ。たぶんその星の支配者たちは宇宙全体に脅威を感じて異星人居留地を作るのではないだろうか。だって、自分がしてきたことを今度はされる側になるのだから。居留地の一歩外に出ただけで異星人は抹殺される。こうしてその星はもう一回ゆっくりと衰退していきましたとさって事になるんだろう。だってこの星の住民もまたしかりで星から出られなくしてるんだしね。

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