第10話 3つの力

ユウキ「今回は小説を書くうえで、大事な3つの力を紹介だ!」

アリス「文章力、構成力、センスの3つでしたね」

ユウキ「まず残念なお知らせがある。文才はあまり役に立たないと言う事だ」

アリス「残念か嬉しいか、微妙な範囲ですね」


ユウキ「これらの要素は後天的に、鍛える事が出来る」

アリス「ふむ。最初に持っているか、後から手に入れるかの違いですね」

ユウキ「だから今回は3つの力の鍛え方を紹介だ!」


・文章力


ユウキ「文章力とは、文章を適切に書く力の事だ」

アリス「そのままですね。これが必要なのは分かります」

ユウキ「まあ小説を構成するのは文だからな」

アリス「文章力はどうやって鍛えたらいいのですか?」


ユウキ「沢山書いて、沢山読む事だな」

アリス「え? そんな事で良いんですか?」

ユウキ「単純だが、難しくて効果的なやり方だぞ」

アリス「それで文章力が身に付くのは何故ですか?」


ユウキ「まず書く事で自分の文章に、癖がある事を理解するんだ」

アリス「確かに。人によって表現の癖がありますよね」

ユウキ「その後、プロはどんな表現を使っているのか? 読んで調べるんだ」

アリス「なるほど。他者の表現法を学ぶのですね」


ユウキ「その為には書き続ける、読み続ける必要がある」

アリス「そこが一番の難関ですね……」

ユウキ「だが続ければ文章力は、勝手に身に付く。是非実践してみてくれ!」


・構成力


ユウキ「構成力とは、小説の配置が適切か判断する力だ」

アリス「配置? キャラの登場シーンとかですか?」

ユウキ「ああ。このシーンはここで適切かとか、そんなものを判断する力だな」

アリス「配置を間違えれば、グダグダになりそうですね」


ユウキ「構成力を身に着けるには、とにかく完結させるだな」

アリス「先程の沢山書けと似ていますね」

ユウキ「そうだな。ただ唯一の違いは多作を書くより、量産せよって所だ」

アリス「どう言う意味ですか?」


ユウキ「多作とは、沢山の作品を併用して執筆する事だ」

アリス「書いている途中に別のものが書きたくなる事がありますよね」

ユウキ「一方量産は、短いけど完結した物語を書き続ける事だ」

アリス「短編や長編に満たないような長さの小説を書けって事ですか?」


ユウキ「ああ。何故なら小説は完成する事で、初めて全体像が見えてくる」

アリス「全体像が見えてきて、何が違うんですか?」

ユウキ「見直す事で、感覚が養われる。このシーン配置は違うなとかな」

アリス「なるほど。構成力は感覚を養う事で得られるのですね」


・センス


ユウキ「センスとはそのまんま、感覚の事だな」

アリス「先程の構成力にも出て来ましたね」

ユウキ「キャラ付けがこれで正解かとか。シーンの長さは適切かとかだな」

アリス「そう言うのって、感覚で分かるものなのですか?」


ユウキ「逆に感覚でないと分からん。魅力的なキャラになっているかなんてな」

アリス「理論上は魅力的でも、実際の見え方は違ったりしますからね」

ユウキ「コイツを鍛えるには、小説、漫画、映画問わず、色んな作品に触れる事だ」

アリス「え? 小説を書くのに、漫画や映画でも良いのですか?」


ユウキ「センスについてはな。重要なのは面白いかつまらないかで判断せず、とにかく触れる事だ」

アリス「つまらないものに触れても、効果があるのですか」


ユウキ「つまらないものは、やっちゃいけない事をやっている作品だな」

アリス「なんとなく分かる気はしますけど」

ユウキ「そのやっちゃいけない事を、掴んでみよう!」

アリス「それを掴めれば、確かに自分でやろうとはしなくなりますね」


ユウキ「それがセンスを磨くと言う事だ。前評判気にせず、色んな作品に触れる事」

アリス「センスを磨くのも楽じゃないって事ですね」



ユウキ「今回は書くのに必要な、3つの力を紹介した」

アリス「どれも近道はありませんでしたね。やはり一歩ずつと言う事ですか」

ユウキ「逆に言えば、続ければそれだけ上手くなるのが小説ってものだ」

アリス「皆さんも経験を積んで、是非素晴らしい作家になってみてくださいね」


ユウキ「次回からはキャラクターについて解説してみるぞ」

アリス「物語を作るのに大事な要素ですね」

ユウキ「理屈だけじゃダメ。魅力的なキャラの作り方を紹介だ!」

アリス「魅力を出すのは大変ですからね」


ユウキ「それじゃあ、みんな! 次回も宜しく!」

アリス「お願いします」



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