貴方と私の万華鏡

 人それぞれに生まれも育ちも色々有る。

 暮らした時間も感動した風景も千差万別…。


 さて、ここから見えてくることはと言えば…

 貴方と私の万華鏡が違うという事。


 当たり前のことだけれど、それはとても大事な事。

 言葉を紡ぐ時、貴方は貴方の万華鏡を通して私に風景を見せてくれる。

 私は、その風景を私の万華鏡で覗いて見る。


 それは、似て非なる風景…。

 見覚えはないが、何処かで見たことの有る風景が私の万華鏡に映る。

 それは新しい体験の瞬間。


 ところで、ここに一つ面白い万華鏡が有ります。

 それは恋と愛という万華鏡。


 二つの万華鏡には「好きな人」という共通のキーワードで結ばれていますが、それは天地の開きがある万華鏡。


 恋の万華鏡は、私の万華鏡の変形版。

 何処まで行っても私の理想を「好きな人」に投影させてしまうモノ。


 愛の万華鏡は、「好きな人」の万華鏡に近付こうとする、私の万華鏡の変形版。

「好きな人」の全てを受け入れ、「好きな人」と同じ風景を見ようと努力したモノ。


 さぁ、「好きな人」を思う時、貴方の心にあるのは「恋の万華鏡」、それとも「愛の万華鏡」?

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