言葉と心の万華鏡

たんぜべ　なた。

　言葉とは不思議なものです。

　たった一つの言葉を聞いて、人は数多の風景を連想します。

　例えば『宇宙（そら）』。

　いま、あなたの胸に去来する風景はなんでしょう。

　親と眺めに出かけたプラネタリウムですか？

　地球を周回する国際ステーションですか？

　星雲など銀河団の集まりですか？

　友達と探しあった星座ですか？

　夏祭りの帰り、友達と見上げた夜空ですか？

　勉強で煮詰まった時に眺めた夜空ですか？

　ライブの後、推しのアイドルと一緒に見上げた夜空ですか？

　沈丁花や金木犀…季節の香りに思いを馳せた夜空ですか？

　冬の寒空、想い人と寄り添い眺めた流星群ですか？

　想い人と別れ、泣き明かした夜空ですか？

　秘めた想いで彩られた胸中ですか？

　…etc

　このように、言葉一つには、数多の風景が隠れています。

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