第35話 ダンジョン省からの依頼「報酬は国家予算の1%です(億単位」

「新見政宗さん……突然すみません。私はダンジョン省の蔵田舞子と言います」


 ビシッと黒いスーツを着た、メガネの若い女性。


 いかにも公務員と言った、真面目な感じの人だ。


 名刺を渡してくる。


「いえ、大丈夫です。で、ダンジョン省の方が俺に何の用ですか?」

「実は先日の配信を拝見しまして、新見さんにお仕事を依頼したく存じます」


 カチカチのお堅いしゃべりに、俺は面食らうが、


「どんな依頼でしょうか?」

「それは……ちょっとここでは話せません」


 蔵田さんは、社長室にいる香月社長をチラ見して。


「極秘の依頼となりますので、これからダンジョン省にお越しください」


 ダンジョン省は秘密の多い機関で、


 国民に隠れていろいろやってるらしい。


「もちろん……報酬は出ます。新見さんの報酬には、すでに予算措置がなされています」

「いくらくらい……とか、聞いても?」


 いくら国の仕事でも、報酬を気にしないわけにはいかない。


「正確な額はお越しいただいてから教えますが、だいたい我が国の予算の1%はご用意してます」

「……マジか」


 国の予算の1%って……億単位、だよな。


 ちょっと想像できない額だ。


「では、ダンジョン省で大臣がお待ちです。外に車をつけていますので」


 窓を見ると、黒光したリムジンが……


「新見さんは日本を救うために必要です……どうか、一緒に来てくださいっ!」




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る