第4話 人気配信者を助けた※しかし本人は気づいていない様子

【配信コメント】

:マジかよ……

:何が起こった?

:信じられん。


「キミ、大丈夫?」


 俺は倒れていたエルフの女の子に手を差し伸べる。


「だ、大丈夫です……ありがとうございます」


 すごく、かわいい子だ。


 長い金髪にぱっちりした青い目。


 まだ手が震えている。


 たぶんミノタウロスに襲われた恐怖のせいだ。 


「歩けそう?」

「ごめんなさい。足が震えてしまって……」


 ここはダンジョンだ。


 魔物がそこらへんにウヨウヨいる危険な場所。


 女の子ひとりで置いていくわけにはいかない。


「おぶっていくよ」

「えっ……そんな悪いです」

「こんな危ないところに置いていけないから」

「…………」

「さあ早く。また魔物が出るかも」

「……ありがとうございますっ!」


 エルフの女の子はペコリと頭を下げると、


 俺の背中につかまった。


 むにゅうっ……!!


 柔らかなモノが背中にぎゅっと当たる。


 や、やばい……この子の【大きな胸】を忘れていたっ!


 あまり【揺らさない】ように、ゆっくり歩こ。


「本当に助かります。あたしは……桜井ルナと言います」

「俺は新見政宗です」


 桜井、ルナ。


 どこかで聞いたことがある名前。


 たぶん(前の)仕事関係だ。


 うーん……思い出せない。


 あとでググってみよ。


【配信コメント】

:桜井ルナって本物?

:あの人気配信者のルナちゃん?

:すげえかわいい。

:主、知らないのか?

:企業勢のトップじゃん

:俺もルナちゃんをおぶりたぃぃいいいいぃ

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