ぼっちの俺が何故か学園のアイドルと仲良くなった件
おとら
プロローグ
俺は陽キャと言われる人達が苦手だ。
彼らは我が物顔で教室を占拠する。
すると、俺みたいなぼっち陰キャはそれだけで縮こまってしまう。
自分の机を使われた日には、怖くて何もいうことができない。
……そうだったはずなんだけど、どうしてこうなったのだろう?
「松浦さん、何もうちでやらなくてもよくないかな?」
「どうして? 何か困ることあるの?」
何故が、学園のアイドルである松浦結衣さんが俺の部屋にいる。
いや、理由はわかっているんだけど理解が追いつかない。
こっちはぼっち陰キャ、あっちはハイパー陽キャだ。
ちなみにハイパー陽キャとは俺がつけた名前で、天然陽キャの意味を指す。
「いや、困るっていうか……」
「ねえねえ、それより拓馬君、ここはどうやってクリアするの?」
「ちょっ、近いから……!」
ただでさえ、何やら甘い香りがしてクラクラするのに。
身を寄せると髪から良い香りがするし、大きな胸が当たりそうになる!
彼女いない歴=年齢男子にはきついです!
「むぅ、離れたら説明できないじゃん。ほら、もっとこっち!」
「わわっ!? わかった! わかったから! ねっ!?」
「じゃあ、早く教えてよー」
そう言い、ふくれっ面を見せる。
その仕草は可愛くて、思わず顔が熱くなってくる。
金髪は祖母譲りらしく天然物で、サラサラで光って綺麗だし。
プロポーションも良くて、それでいて顔は日本人と外人の良いとこ取りって感じだ。
「えっと、ここは……確か秘密のスイッチがあるはずだよ」
「ありがとう! なるほど……うーん、どこだろう?」
「えっと、教えようか?」
「ううん。ヒントもらったし、まずは自分で考えてみる!」
そう言い、真面目な顔をしてSwitc○のゲーム画面を見つめている。
その目は真剣で、俺が見てきたゲーム好きと同じ眼をしていた。
「ほんと、意外だったよ。まさか、松浦さんがゲームが好きなんてね」
「私こそ驚いたよー。まさか、あのスレイさんの正体が、同じクラスの男子だったなんて。結構、あのゲームでは有名だよ? よく初心者を助けてくれるって」
「お願いだから、ここでその呼び名は勘弁して……」
それは、俺のオンラインゲームでのアカウント名だった。
そこでは普通にチャットしたり、時には会話したりしていた。
ネット世界でしか、俺は自分を出せなかった……今までは。
「えへへー、どうしよっかなー?」
「お願いしますっ!」
「うーんと……じゃあ、また遊びに来ても良い?」
そう言い、あざとく上目遣いをする。
姉さん曰く、これは天然だっていうんだから怖いや。
ただし、俺には大ダメージである。
「えっ? いやぁー、それはちょっと……」
「じゃあ、言っちゃうもん!」
「だァァァ! わかりました! 来て良いから!」
「ほんと!? やったぁ! 約束だからねっ!」
嬉しそうに笑う姿を見てると、何か勘違いしそうになる。
ただ、間違っても俺と彼女はそういう関係じゃない。
たまたま、こうなっただけ……そもそも、どうしてこうなったんだっけ?
喜ぶ彼女を見ながら、少し前に起こった出来事を思い出す……。
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