ぼっちの俺が何故か学園のアイドルと仲良くなった件

おとら@五シリーズ商業化

プロローグ

俺は陽キャと言われる人達が苦手だ。

彼らは我が物顔で教室を占拠する。

すると、俺みたいなぼっち陰キャはそれだけで縮こまってしまう。

自分の机を使われた日には、怖くて何もいうことができない。

……そうだったはずなんだけど、どうしてこうなったのだろう?


「松浦さん、何もうちでやらなくてもよくないかな?」


「どうして? 何か困ることあるの?」


何故が、学園のアイドルである松浦結衣さんが俺の部屋にいる。

いや、理由はわかっているんだけど理解が追いつかない。

こっちはぼっち陰キャ、あっちはハイパー陽キャだ。

ちなみにハイパー陽キャとは俺がつけた名前で、天然陽キャの意味を指す。


「いや、困るっていうか……」


「ねえねえ、それより拓馬君、ここはどうやってクリアするの?」


「ちょっ、近いから……!」


ただでさえ、何やら甘い香りがしてクラクラするのに。

身を寄せると髪から良い香りがするし、大きな胸が当たりそうになる!

彼女いない歴=年齢男子にはきついです!


「むぅ、離れたら説明できないじゃん。ほら、もっとこっち!」


「わわっ!? わかった! わかったから! ねっ!?」


「じゃあ、早く教えてよー」


そう言い、ふくれっ面を見せる。

その仕草は可愛くて、思わず顔が熱くなってくる。

金髪は祖母譲りらしく天然物で、サラサラで光って綺麗だし。

プロポーションも良くて、それでいて顔は日本人と外人の良いとこ取りって感じだ。


「えっと、ここは……確か秘密のスイッチがあるはずだよ」


「ありがとう! なるほど……うーん、どこだろう?」


「えっと、教えようか?」


「ううん。ヒントもらったし、まずは自分で考えてみる!」


そう言い、真面目な顔をしてSwitc○のゲーム画面を見つめている。

その目は真剣で、俺が見てきたゲーム好きと同じ眼をしていた。


「ほんと、意外だったよ。まさか、松浦さんがゲームが好きなんてね」


「私こそ驚いたよー。まさか、あのスレイさんの正体が、同じクラスの男子だったなんて。結構、あのゲームでは有名だよ? よく初心者を助けてくれるって」


「お願いだから、ここでその呼び名は勘弁して……」


それは、俺のオンラインゲームでのアカウント名だった。

そこでは普通にチャットしたり、時には会話したりしていた。

ネット世界でしか、俺は自分を出せなかった……


「えへへー、どうしよっかなー?」


「お願いしますっ!」


「うーんと……じゃあ、また遊びに来ても良い?」


そう言い、あざとく上目遣いをする。

姉さん曰く、これは天然だっていうんだから怖いや。

ただし、俺には大ダメージである。


「えっ? いやぁー、それはちょっと……」


「じゃあ、言っちゃうもん!」


「だァァァ! わかりました! 来て良いから!」


「ほんと!? やったぁ! 約束だからねっ!」


嬉しそうに笑う姿を見てると、何か勘違いしそうになる。


ただ、間違っても俺と彼女はそういう関係じゃない。


たまたま、こうなっただけ……そもそも、どうしてこうなったんだっけ?


喜ぶ彼女を見ながら、少し前に起こった出来事を思い出す……。

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